久しぶりに本の話です。

図書館内をうろうろしていたときに見つけて借りてきた本です。なんとなく軽い感じの本が読みたいと思っていたところにこの表紙が目についたのでした。内容を特に確認もせず、まあこの表紙なら深刻な内容ではなかろうと手に取った次第。

Pyhä lehmä
著者: David Duchovny(デイヴィッド・ドゥカヴニー)
訳者: Ilkka Salmenpohja
イラスト: Natalya Balnova
出版: Like, 2016年

のんびりと平和な毎日を送っていた Elsie は、ある日、自分たちは食肉にされるために生かされていたのだということに気づきます。そして牧場から脱走することを決意。

彼女の計画を知って一緒に脱走したいとやってきたのは Šalom という名の豚と Tom という名の七面鳥。のち、彼ら2匹と1羽は無事牧場を脱走して世界へと旅立ちます。

Šalom が夢見た国はイスラエル。そこでは食肉にされることはあり得ないから。Tom の夢の国はトルコ(Turkey)。なんてったって彼は七面鳥(Turkey)なのですから。そして Elsie にとってのあこがれの国は、牛が神聖だとして敬われているというインドでした。


表面的にはシッチャカメッチャカというかふざけてるというか… でも内容的には世の中の痛いところをついていて考えさせられることも。

なかなか面白い本でした。とぼけた感じのイラストもいい感じ。

最初、出産したことのない Elsie が搾乳されているということが気になったりもしましたが、まあ、そもそも小説ですからね。2匹と1羽が人間に変装してバレずに飛行機の国際線に乗っちゃうとか、七面鳥がスマホを上手に使ったり飛行機を操縦したりするとか…そんな話なのだから、出産前の Elsie が乳を出していたっておかしくはない…🙄


その後著者について検索してみてびっくり!David Duchovny ってあの「Xファイル」でおなじみの俳優さんじゃないですか!!そのテレビドラマは「Salaiset kansiot」という名でフィンランドでも放映されていましたから、こちらでもよく知られています。私も時々観ていたから俳優さんの顔は知っていたのだけれど名前は知らなかった💦

原題は『Holy Cow』。2015年の出版です。著者の知名度のせいでしょうか、フィンランド語版も日本語版もその翌年に出版されています。

こちらは↓フィンランド語版の表紙ですが


英語版の表紙↓とほぼ同じ。


でも日本語版はそうではないようです。



こうして表紙を比べてみたときに、日本語版のものって原作のとは違っていることが多い気がするのだけれど、なぜだろう…🤔