2018年7月14日

📖【ジュニア文学】Yksi:結合双生児の物語

図書館から借りた電子ブックです。

Yksi

Yksi
著者:Sarah Crossan
訳者:Kaisa Kattelus
出版:S&S, 2018年

結合双生児の Grace と Tippi は、その身体上の理由から、今まで家で教育を受けてきました。でも、家庭教師はもう財政的に無理。秋からは、普通の高校へ通うことになります。

高校でも街でももの珍しげに見られる2人。一方で、親しい友人もできます。

でも、彼女たちの高校生活が軌道に乗ったころ、Grace の体調が悪くなる。そして、Grace と Tippi の2人は、大きな決断をすることになるのです。


物語は、Grace の語りで進んでいきます。完全に「詩」というわけでもないけれど、それっぽい文体。読みやすく、でも別な意味でちょっとつらい本でもありました。

"Yksi"の意味

Yksi は数字の 1 のことです。

ちなみに、英語の原作名は『One』です。フィンランド語名は、意味的に英語名そのままってことですね。

著者について

Sarah Crossan(サラ・クロッサン)はアイルランドの作家。特に、青年向けの作品で知られているそうです。現在はニューヨーク在住。

《参考ウェブページ》

出版社による本の紹介ページ

出版社による著者の紹介ページ

2018年7月3日

📖【小説】Kana joka tahtoi lentää:『庭を出ためんどり』フィンランド語版

今回も図書館から借りた電子ブックです。

原作はハングル語。フィンランド語版が出版されたのは2年前のようですが、日本ではすでに2003年には翻訳・出版されたみたい。韓国と日本…さすがはお隣同士。

Kana joka tahtoi lentää

Kana joka tahtoi lentää
著者:Sun-mi Huang
訳者:Hilla Hautajoki
イラスト:Nomoco
出版:Sitruuna Kustannus, 2016年

卵を産む為の鶏として檻の中で飼われていた Tähkä(←フィンランド語での主人公の名。意味は「穂」)が夢に見ていた檻の外での生活。危険が隣り合う暮らし。他の庭の生き物たちにも受け入れられない。それでも淡々とたくましく生きていく Tähkä。…そんな Tähkä の物語です。

フィンランド語版の表紙にはこんな言葉が書かれています。
Toisinaan vähäpätöisimmät hahmot tekevät sankarillisimmat matkat
時に、最も取るに足りないような者たちが、最も英雄的な旅をする
副題というわけでもないみたい。でも、このお話はそんな話です。

日本語版もあるしそんな長い話じゃないので、読んでみて損はないんじゃないかなあ…。

"Kana joka tahtoi lentää"の意味

それぞれの言葉の意味です。

kanaめんどり
joka:(関係代名詞 単数主格)
tahtoitahtoa 望む の3人称単数の過去形
lentää飛ぶ

つまり書名の意味は『飛びたかっためんどり』。

原作は『마당을 나온 암탉(Madangeul naon amtak)』です。だたし、フィンランド語版は原作かららの直接の翻訳ではなく、Kim Chi-Youngによる英訳版『The Hen Who dreamed She Could Fly』からの翻訳。

フィンランド語版の書名は、この英訳版から受け継いだもののようです。

著者について

Sun-mi Hwang (1963年~)は、韓国の作家。今までに、40余りの作品を世に出しています。

ところで、フィンランドのこの本の出版社のページ(下記《参考ウェブページ》参照)に、この作品に関しての著者へのインタビュービデオが紹介されていました。YouTubeのものだったので、ここにそのまま埋め込んでおきます。韓国語+英語字幕です。


《参考ウェブページ》

2018年6月28日

📖【小説】Luvattu maa:グラン・カナリア島を舞台にした推理小説2

電子ブックからちょっと遠ざかっていたけれど、やっぱり便利なんですよね、図書館の電子ブック。図書館の開館時間に関係なく本を物色して借りることができるんですもん。

ということで、再び電子ブックを借りて読んだのでした。

Luvattu maa

Luvattu maa
著者:Mari Jungstedt
訳者:Emmi Jäkkö
出版:Otava,  2017年

グラン・カナリア島でスウェーデンの女性が殺害され、さらにその数日後、スウェーデン人の男性も殺害されます。

グラン・カナリア島に住むスウェーデン人ジャーナリスト Sara Moberg は、そこの領事館に勤務するノルウェー人の元警察官 Kristian Wede とともに、事件の真相に迫っていきます。

以前読んだ『Tummempi taivas』という本( 📖【小説】Tummempi taivas:グラン・カナリア島を舞台にした推理小説)の続編になります。事件そのものは独立しているので、同じ「シリーズ」といったほうがいいのかな。


作品の中では、事件とその周辺の出来事のストーリーの合間合間に、過去の出来事ももりこまれています。すぐには、その過去の出来事と今起きている出来事との関連が分からない。でも、読んでいくうちに、それらが徐々に繋がっていく…

という展開は、そういえば彼女の他の作品(といってもこの本は私にとってはまだ3冊目)にも共通してますね。

ただ、今まで読んだものとちょっと違うのは、この作品でとりあげられている過去の話が、完全なフィクションではなく実際の出来事がもとになっているということ。例えば、テネリフェ空港ジャンボ機衝突事故。(多くの死傷者が出たとても大きな事故だったにもかかわらず、私はこの本を読むまで事故のことは全然知らなかった…(-_-;))

1950年代から観光地化され始めたグラン・カナリア島。リゾート客でにぎわうホテルが立ち並ぶ場所は、現地の人たちが一昔前まで生活を営んでいた場所。1950年代に土地を売りその地を離れた人たちには、それぞれいろんな思いがあったんだろう… そんなことを考えさせられました。

"Luvattu maa"の意味

luvattu は動詞 luvata 約束する の受動過去分詞。maa はいくつか意味があるけど、ここでは 土地 のことでしょうか。とすると「約束された土地」という意味になります。

原作はスウェーデン語『Det förlovade landet』。

著者について

著者については、以前の記事( 📖【小説】Toiset kasvot:ゴットランド島を舞台にした推理小説)をご覧くださいませ。

この方、きっと人気があるんでしょうね。基本、今よく借りられている電子ブックを借りて読んでいる私。にもかかわらず、彼女の本にはもう3回も出会ってますから。

《参考ウェブページ》
Luvattu maa | Otava
Mari Jungstedt | Otava

2018年6月14日

📰 日本の道は下り坂?!

もともとは、読んだ本を記録するつもりで始めたブログです。でも、フィンランド語で読んでるのは本だけじゃない…

ということで、ちょっと目についたニュースなどについてもこのブログに書いていくことにしました。

Sanomalehtiä eri ajoilta
(異なる時代の新聞)
撮影:Pietinen,  1931年
画像元: sanomalehtiä eri ajoilta | Museovirasto - Musketti | Finna.fi 
ライセンス:  CC BY 4.0 

古い写真をひっぱってきましたけど、今の時代はニュースといえば新聞よりもインターネットで読むほうが多いですよね。ここで取り上げるのも、ほとんどがインターネット上で読めるもの。

今回は、1か月近く前のニュース。ニュースというにはもう古いかな…(^_^;)

*****

フィンランドでも高齢化社会が進んでいます。そんな中での労働者の確保は、将来に向けて解決すべき重要な課題のひとつ。

そんな背景も受けて、フィンランドでは外国人労働者の受け入れを緩和するか否か、ということがときどき話題にあがります。

真のフィンランド人党(Perussuomalaiset)の党首 ユッシ・ハッラアホ(Jussi Halla-aho)氏は、外国人労働者の受け入れ緩和には反対。そこで例として挙げられたのが(だしに使われた?!)のが日本!!

ハッラアホ氏が日本を例にあげて言っているのは、おおよそ次のようなことです。
  • 日本は日本人の国であり続けたいとしており、アジアの労働力が身近にあるのにかかわらず、労働者不足の問題を外国人の受け入れで解決しようとはしていない。 日本では、将来の人口減少を容認している。
  • 高齢化社会の問題は、日本のように、技術進歩・ロボット化・効率化によって解決すればよい。 


その翌日、内務大臣カイ・ミュッカネン(Kai Mykkänen)氏が反論しました。
だしに使われた!?日本に関して、ミュッカネン氏はおおよそ次のようにいっています。
  • 今世紀に入ってからの日本の生活水準の向上は、工業先進国の中では最も脆弱。日本人は急激に高齢化しているのにもかかわらず、労働力としての移民の受け入れが欠如していることがその理由の一つとして挙げられる。
  • 確かに日本では、例えば老人介護などでロボットを利用し労働力不足を補っている。日本は自動化を受け入れることに抵抗のない文化を持ってはいるが、高齢化社会と経済発展を両立させることができていない。
そして、このことが書かれていた記事の見出しが "Japanin tie on alamäki(日本の道は下り坂)"



ハッラアホ氏は日本の現状を知らないんじゃ?という気もします。でも、こういう認識をもっているっていうことは、日本は外国人をあまり受け入れないということで知られているってことでもある…

それにしても大丈夫ですかね、日本? 外国からこんな風に思われているって認識ぐらいはあるのかな?

2018年6月3日

📖【実用】Perinnetaidot:昔ながらの手仕事技法を使って作って(創って)楽しむための本

なんだか最近、電子ブックを読む気になれません。

電子ブックは大きい文字で読むこともできるし、アンダーラインなんかもつけられるし、検索機能もあって確かに便利。でも、ぱらぱらとページをめくるってことができなくて、なんだか欲求不満になるのです。

そんなわけで、今後しばらくは紙の本を読んでみようと思っているところです。

今回は、図書館で何気に手に取った本。「読むための本」というよりは「つくるための本」。つまりレシピ本のようなものです。

Perinnetaidot: käsikirja kaikille

Perinnetaidot:
käsikirja kaikille

著者:Elina Koskelainen & Heikki Saure
挿絵:Katariina Pakarinen
出版:Suomen kirjallisuuden seura, 2014年

フィンランドの昔ながらの手仕事の技法がいろいろ紹介されています。「いろいろ」ってほんとに「いろいろ」です。

ちなみに、この本に関する図書館のページに、この本の内容・テーマとして挙げられているのが次の言葉。ほんとに「いろいろ」…
käsityöohjeet(クラフト品の作り方)
käsityöt(工芸)
askartelu(工作)→ luonnonmateriaalit(自然の素材)
punontatyöt(組細工)
värjäys(染色)
kynttilät(ロウソク)→ valmistus(制作)
puutyöt(木工)
ruoanvalmistus(料理)→ ruokaperinne(食の伝統)
kädentaidot(手の技術)→ historia(歴史)
käsityöperinne(工芸の伝統)→ Suomi(フィンランド)
具体的にどういうものの作り方が書かれているかといえば、例えば、フィンランドの伝統料理であるカラクッコ(魚をライ麦パンで包んで焼いたもの)やカレリヤパイなどの料理。あるいは、ヤナギの枝のホイッスルや鳥の巣箱のような工作・木工。さらには、編み物やバンド織…

技法自体は伝統のものだけれど、材料や作るものは、今の時代に合わせられています。材料でいえば、白樺の皮や木の薄板は厚紙で代用、麦わらを使う代わりにストローやビーズを使う、というように。

結構手のかかる物の作り方も書かれていますが、逆にとっても簡単に作れるおもちゃ(?)も紹介。コウホネの実で作る豚とかトウヒの実(松ぼっくりみたいなやつ)で作る馬とか。

ちなみにどちらも、日本でお盆に備える、キュウリやナスで作る動物と作り方は同じです。国は違っても人の考えることってあんまり変わらないのかも。

この本、読み物ではないのだけれど、工芸品にかかわるた歴史や伝統についてもちらほら書かれていて、それがなかなか興味深かったですわ。

"Perinnetaidot: käsikirja kaikille-"の意味

グーグル先生に翻訳してもらったら「伝統スキル:皆のためのハンドブック」。…うん、これで通じますね。

それぞれの単語の意味です。
芬日辞典は使っていないしフィンランド語をちゃんと勉強したわけではないので、あくまで参考としてご覧ください。
  • perinnetaidotperinnetaito 伝統技術perinne 伝統 + taito スキル・技術)の複数主格。
  • käsikirja ハンドブックkäsi + kirja )。
  • kaikillekaikki みんな の向格。

著者について

Elina Koskelainen女史 は文化に関わる様々な仕事にとりくんでいる方。Heikki Saure氏 は作家です。

《参考ウェブページ》
Perinnetaidot

2018年5月22日

✐ ウサギをフィンランド語で何という?


フィンランド語でウサギを「カニ」という…という話を聞いたことがある人も多いのでは?

Google先生の翻訳でも、ウサギ=kani(カニ)となっているようです。

まあ、確かにその通りではあるのでしょうが、ウサギの名称は他にもいろいろあるし、「カニ」がウサギ全体を指す言葉、というわけでもありません。

そこで今回は、「ウサギ」を意味するフィンランド語を集めてみました。

jänis

おそらく、日本語の「ウサギ」に一番近いのがこの jänis という言葉じゃないかと思います。生物の分類で「ウサギ科ウサギ属」などというときに使われるのがこの jänis なので。

狭義では、フィンランド在来の野ウサギ metsäjänis ユキウサギ を指します。

身近な動物だからでしょうか、慣用的な使い方もいくつかあるようなのであげておきます。
 Matkustaa laivassa jäniksenä.
ウサギとして船で旅行する…というと???ですが、ここでの jänis は 密航者 の意味。それなら納得ですよね。
Arka kuin jänis.
ウサギのように過敏…これはそのまま理解できそうです。どうやら jänis は臆病者の代表格とされているらしい。
jäniksen selässä
ウサギの背にいる状態、つまりウサギに乗っている状態…転じて、あわただしく忙しい状態をあらわすようです。

ところで、この jänis から派生したらしき動詞 jänistää という単語もあります。意味は,
怖がる あるいは 逃げる。…やっぱり jänis、しっかり臆病者にされてる (-_-;)

rusakko

フィンランドに住む野ウサギ種、ヤブノウサギのこと。20世紀の初めにカレリア地峡経由でフィンランドに入ってきた野生のウサギです。今は、南部から中部にかけて住んでます。

kani / kaniini

日本人には「カニ」がよく知られていると思いますが「カニ―二(kaniini)」ともいいます。アナウサギ のことです。ペットとして飼われているウサギです。

このウサギ、あくまでペットであってフィンランドの自然界にはもともと住んでいませんでした。でも、逃げた、あるいは放された飼いウサギが生き延びて繁殖・野生化。今はヘルシンキ市やトゥルク市界隈に、野生化した「カニ」さんたちが住んでいるとか。で、そのカニさんたちは、Citykani っていわれてます。都会暮らしのカニさんです。

ところで、 ウサギとは全く関係ない意味をもつ kani もあります。質屋 のことです。

kani から派生したらしい kanittaa という動詞もありますが、意味は 質屋に入れる。…ウサギとは全く関係ありません。

pupu / pupujussi

主に子供たちに対して使うのかな? 絵本とかで出てきそうです。個人的にはなんとなく「かわいい」うさぎというイメージがあります。「ププ」って音自体がかわいいじゃないですか。

そんなイメージのせいかどうかは知らないけれど、バニーガール puputyttö … jänistyttö じゃない。

puputtaa という動詞もあります。ウサギって、口をもぐもくよく動かしてるじゃないですか。puputtaa はどうやらその動作をさすようです。ウサギに限らず、人にも使います。

jänö / jänönen / jänöjussi / jänöpupu

これらも、主に子供たちに対して使われるようです。私にはほとんどなじみのなかった言葉。子供の本をあまり読んでいないからかな。

ristihuuli / ristiturpa

口唇口蓋裂のことを ristihuuliristi 十字架 + huuli )ともいいます。でも、ristihuuli で、ウサギ を意味することもあります。ウサギの口の形から来ている名称でしょう。

ristiturpa もウサギの鼻づら~口の形からきたのであろう ウサギ を意味する言葉です。(risti + turpa 鼻づら

vemmelsääri

ウサギをこんな言葉で表すことも。vemmel は馬具の一つで、アーク型をしているらしい(具体的にどんなものか、いまいちよく分かってない…(^_^;))。sääri のこと。

これもおそらく、ウサギの外見から来ている呼称でしょう。

2018年5月8日

📖【ジュニア文学】Kesän miekka:ファンタジー…Magnus Chase シリーズの一作目

図書館の電子ブック貸し出しページで『Kuolleiden laiva(原作:The Ship of the Dead)』という本を目にしました。でもそれ、 よくよく見たら、Magnus Chase というシリーズものの第三作目であることが判明。

シリーズものならやっぱり第一作目から読んだほうがいいよね、ってことで、まずはこの『Kesän miekka』を読んでみることにしたのでした。

Kesän miekka

Kesän miekka(Magnus Chase 1)
著者:Rick Riordan
訳者:Ilkka Rekiaro
表紙:Rhett Podersoo
出版:Otava, 2016年

Magnus は母親と2人で暮らしていました。父親には会ったことがありません。

母親が死んだあと2年間、ボストンで路上暮らしをしていた Magnus。16歳の誕生日に、Magnusの父親は北欧神Freyrであると、叔父から知らされます。そしてその日Surtに襲われ、命を失うことになります。

…が、Valhalla という世界で einher(神オーディンの戦士)として復活。紆余曲折を経て、世界の最後の戦いが勃発することを防ぐため、仲間たちと多くの困難に立ち向かいます。

*****

北欧神話をモチーフにしたファンタジー。とはいっても、時代は現代。オーディンでさえもパワーポイントを使ってる!!!

Magnus の語りで物語は進行していきます。ユーモアもあるから、ティーンの子たちには面白いんだろうな…

対象年齢外の私にとっては、いまいち波長が合わなかったというのが正直なところです。まだ2作続きがありますが、おそらく読むことはないでしょう。

"Kesän miekka"の意味

kesänkesä の単数属格、miekka。つまり『Kesän miekka』で『夏の剣』。

原作は英語です。その書名が『The Sword of Summer』なので、ストレートに翻訳したかたちですね。

シリーズ名の『Magnus Chase』は、主人公の名前です。

著者について

Rick Riordan(リック・ライアダン 1964年~)はアメリカの作家。

Wikipediaの日本語版にも記述があったので、そこから一部をそのまま抜粋しておきます。
アメリカ合衆国の推理作家、児童文学作家、ファンタジー作家。

テキサス大学オースティン校を卒業後、教師になる。15年間、サンフランシスコやサンアントニオの中等学校で英語や歴史を教える。その後小説家に転向し、現在に至る
日本語にも翻訳されている作品もあるようですね。でも、今回読んだ本の日本語版はなさそうです。

《参考ウェブページ》
Rick Riordan | Otava
Kesän miekka | Otava
リック・ライアダン - Wikipedia

2018年5月1日

📖【小説】Saarretut:雪に閉ざされた小さな街で

今回の本も、図書館から借りた電子ブックです。

Saarretut

Saarretut
著者:Karin Erlandsson
訳者:Laura Varjola
表紙:Sanna Mander
出版:Kustantamo S&S, 2018年

殺された母 Monika、そして残された家族。

家族の大黒柱であるべき父親 Krister は、ふさいで寝てばかり。息子 Jonas は学校にも行かない。娘の Kajsa だけが、普通の日常を送ろうと努めています。

その年の冬のある日に、嵐、そして大雪。除雪が間に合わず、街は孤立。そんな中、Jonas が銃を手に街の新聞社に立てこもるのです。

*****

いつもそれなりに読まれている本を借りているので「はずれ」はめったにないのですが、今回の本は私にとってはいまいち。

他の人たちはどのように読み取っているのだろうと、いくつかの読書ブログを読んでみました。すると、それらの中では概してとても好評じゃないですか!!

ストーリーだけを追ってしまう私の読み方がいけないのかもしれません。文章自体を楽しむとか、情景や登場人物の心情に思い入れをするとか…正直言ってそういうのはとっても苦手。ストーリーを追うだけで満足しちゃうんですよね。きっと十分な読解力がないんだろうな…。

"Saarretut"の意味

saarretut saartaa 包囲する の受動過去分詞の複数形主格。

『包囲された者たち』というような意味になるでしょうか。包囲された→孤立した でもいいかな?

大雪のために道路も雪で覆われ、孤立してしまった街を舞台にしているのでこんな書名がつけられた?

原作はスウェーデン語です。もとの書名は『Pojken』、つまり『少年』。

著者について

Karin Erlandsson(1978年~)は、フィンランドの作家。現在はオーランド島のマリエハムンに住み、文化部記者としてNya Åland紙に勤務しています。

《参考ウェブページ》
Saarretut – Kustantamo S&S
Karin Erlandsson – Kustantamo S&S

2018年4月28日

✐ 麻疹(はしか)をフィンランド語で何という?

日本では麻疹が話題になっているようですね。

フィンランド語で麻疹tuhkarokko です。ちなみに tuhka のこと。また、発疹を伴う病気、あるいは発疹そのもののことを一般に rokko といいます。

赤い灰をかぶったように発疹が出るから tuhkarokko なのかなあ…

ところで、tuhkarokko 以外にも、いろんな rokko があります。ちょっと調べてみたのでメモしておきます。(順不同)
  • isorokko 天然痘iso 大きい
  • vauvarokko 突発性発疹vauva 赤ちゃん
  • vesirokko 水痘・水疱瘡vesi
  • vihurirokko 風疹vihuri 突風
  • enterorokko 手足口病(エンテロウイルスによる病気なのでこの名前?)
  • parvorokko 伝染性紅斑・リンゴ病(これもおそらくウィルスの名前からつけられている名称)
  • pikkurokko parvorokko の別称(pikku 小さい
  • tulirokko 猩紅熱(しょうこうねつ)tuli
  • yskänrokko 単純疱疹(たんじゅんほうしん)(yskän は yskä の属格形)
  • nokkosrokko 蕁麻疹(じんましん)(nokkos- は nokkonen イラクサ の語幹)
他にもあるかも…ですが、とりあえず今回見つけたのは以上。

それにしてもいろんな病気があるもの…知らない日本語もいくつかありました (・・;)

写真がないとこのブログのホームページや関連記事の欄が味気なくなるので(←変な理由でごめんなさい)、最後にイラクサの写真を載せておきましょう。


2018年4月26日

📖【小説】Pyörre:アイスランドを舞台とした推理小説

今回も、図書館から借りた電子ブックです。

Pyörre

Pyörre
著者:Yrsa Sigurðardóttir
訳者:Tuula Tuuva
出版:Otava, 2018年

学校から警察のもとへ、10年前に書かれた文が届きます。それは、当時の中学生たちが10年後を思い描いて書き、タイムカプセルに入れられていたもの。10年たった今、そのカプセルが開けられたわけです。それらが警察に届けられたのは、その中に殺人予告があったから。

10年前の中学生の書いたものを真に受け取ることもあるまいと思われました。でも、その後に続いた事件は、その予告との関連を示唆しているように見える…

仕事で大きなミスをしたために部長から平刑事に降格された Huldar刑事。でも彼の活躍もあって、事件の背景が徐々に明らかにされていきます。

*****

なかなか面白い本でしたよ。日本語訳はされないのかなあ…

ところでこの作品、アイスランド語から翻訳されたものなのだけれど、人名はもとのまま。おかげで、アイスランド語では英語などでは使われていないアルファベットが複数あるのだということを知ることができました。例えば  Æ とか Þ。

そういえば、アイスランド語ってどんな言葉なのか全然記憶にない…。映画やテレビで見聞きしたことはあるはずなんだけど。

"Pyörre"の意味

pyörre のこと。

原作のアイスランド語での書名は『Sogid』。Google先生の訳を見る限り、フィンランド語の書名は直訳というわけではなさそうです。

著者について

Yrsa Sigurðardóttir(イルサ・シグルザルドッティル 1963年~)は、アイスランドの作家。1993年~2003年には、児童・ジュニア向けの作品を発表。2005年以降は多くの推理小説を書いています。

彼女の作品は30言語以上に翻訳されているそう。日本では『魔女遊戯』という本が出版されているとのことです。

《参考ウェブページ》
Pyörre | Otava
Yrsa Sigurðardóttir | Otava
イルサ・シグルザルドッティル - Wikipedia