2018年10月21日

📰 女性はどこに?

先週、フィンランドのサーリッコ家族・社会保障事業大臣が、訪日していたそうです。

そのことについてのニュースを検索したら、見つかったのはフィンランド大使館のページぐらいのものでした。日本のメディアではほとんどとりあげられなかったのかな? 



そういう私も、彼女の訪日については、Helsinki Sanomat のニュースサイトを目にするまで知らなかったんですけどね。


このニュースページの見出しはこれですが、
Suomalaisministeri matkusti Japaniin ja huomasi että jotain neuvottelupöydistä puuttuu: naiset
フィンランドの大臣が訪日し、(大臣は)交渉の場に何かが欠けていることに気づいた。女性だ。
記事を読んでみると「何かが欠けている?!」と違和感を感じたのは、どうやら記者自身。大臣がツイートした写真を見ての違和感だったようです。

こちらがそんなツイートの一つ。
確かに女性が欠けている!!

それで記者は、その件についてサーリッコ大臣に問い合わせ、この記事になったらしい。

実際、サーリッコ大臣も驚いたそうですよ。彼女のメッセージには、
Meillä on upea ja pitkä yhteistyö Japanin kanssa, paljon yhteistä. Mutta tasa-arvossa erotumme
日本とは、長い期間にわたるいい協力関係があるし、たくさんの共通点もある。でも、(男女)平等に関しては大きく違う。
と書かれていたそう。

まあ確かに違和感ありますね、男性ばかりって。


参考までに…

フィンランドでは1906年に女性にも参政権が与えられ、翌年1907年の選挙では、19名の女性が国会議員となりました。そして、フィンランド初の女性大臣が誕生したのは1926年。

とはいうものの、フィンランドでも昔はたいがいこんな内閣。

tasavallan presidentti P. E. Svinhufvud johtaa Kyösti Kallion IV hallituksen jäähyväisistuntoa
(共和国大統領P.E.スヴィンヒューがキュオスティ・カッリオ第4次内閣の最終会合を率いる)
撮影:Pietinen, 1937年3月1日
画像元:tasavallan presidentti P. E. Svinhufvud johtaa Kyösti Kallion IV hallituksen jäähyväisistuntoa | Museovirasto - Musketti | Finna.fi
ライセンス: CC BY 4.0


男性大臣が大半を占める中、戦後は徐々に女性大臣も増えたようです。でも本格的に増え始めたのは1990年代になってから。フィンランド独立以降現在までに、88名の女性が閣僚となっています。

なんてことについては、こちらの ↓ ページが参考になります。


上記のページをもとに、ついでにちょっと計算してみました。フィンランド独立以降の閣僚数は累計724名。そのうち女性閣僚の累計が105名、つまり閣僚全体の約14.5%。

女性閣僚のほとんどいなかった時代も含めて計算していることを考えれば、まあまあの割合なのかなあ…

2018年10月16日

📖【ポエム】Nyt vittu syö:子育てアルアルの世界

今回も図書館の電子ブック。絵本のつもりで借りたけど、図書館では「詩」のジャンルに分類されてました。

Nyt vittu syö

Nyt vittu syö
著者:Adam Mansbach
絵:Owen Brozman
翻訳:Kaj Lipponen
出版:Into, 2015年

子供が食べてくれないって、子育てアルアル、なんでしょうね。

「ちゃんと食うもの食え!」という親の気持ちが素直に表れたユーモアのある本です。絵本のような感じなので、さらっと読めます。でも多分、大人が楽しむ本。子供に読み聞かせるのはまずいかも…

出版社のサイトより  Nyt vittu syö | Into Kustannus

"Nyt vittu syö"の意味

syödä 食べる の命令形が syönyt。ここでは副詞。
vittu は罵倒語みたいに使う言葉。もともとは女性の性器のことらしいですけど。

訳は、お好きな罵倒語を入れてご自由に。

原作は英語。原題は『You Have to Fucking Eat』です。


ところで、英語 fucking も フィンランド語 vittu もあまりよろしくない言葉。表紙ではその単語の一部が、動物(アライグマ?)の尻尾で隠されています。

で、フィンランド語版と英語版を表紙をよくよく比べてみると、書名にかかる尻尾の曲がり具合がちょっと違うんですよ。原作の表紙のアイデアを損なわせないためなのでしょう。そんな、何気なく見過ごしてしまいそうなところにも気を使ってデザインされているんですね。

著者について

Adam Mansbach(1976年~)は、アメリカの作家。

挿絵を手掛けた Owen Brozman は、アメリカのニューヨークを拠点とするイラストレーター。

ともに小さい子をもつ父親。まさに「経験者は語る…」ですな。

著者のホームページ  Adam Mansbach

画家のホームページ  Owen Brozman

2018年10月12日

📖【エッセイ】Bikinirajatapaus ja muita sinkkuelämän iloja:シングルライフの醍醐味

図書館から借りた電子ブックです。

Bikinirajatapaus ja muita sinkkuelämän iloja

表紙は、ピンクのバックグラウンドに茄子の絵。…なんで茄子?

Bikinirajatapaus ja muita sinkkuelämän iloja
著者:Henriikka Rönkkönen
出版:ATENA, 2018年

彼氏いない歴7年の「私」が語る、彼氏づくりの失敗談や、長年連れ添ってきた「自分」とのつきあい方の話が、ユーモアたっぷりに書かれている本です。

さらに、下ネタがたっぷりなんですよ。(だから茄子だったのか?!)
でも、あっけらかんとした書き方で、別にいやらしくはないんです。(でも、こんな本が50年ぐらい前に出版されていたとしたら、世間は大騒ぎだったろうな…とは思う)

何気に連想したのが、アメリカのドラマ『セックス・アンド・ザ・シティ』の世界観。

とはいっても、ニューヨークを舞台にしたドラマの派手さは当然ながらありません。

それに、あの世界観と比べると地に足がついていて、現実的です。

それから、時代も変わりました。今は Tinder でパートナーを見つけちゃう時代ですから。本の中でも Tinder って言葉がたびたびでてましたわ。

面白おかしく書かれている本です。でも、芯は真面目なのだという印象を受けました。女性が、自分のありのままの姿をありのまま受け入れる…時に難しいことでもあるけれど、それが自然で健康的なことなんだってことを伝えたかったんだと思います。今の時代、特に若い女性は、外見へのプレッシャーが大きいですから。

この本に関するページへのリンクです。

出版社ATENAのサイトより  Bikinirajatapaus – ja muita sinkkuelämän iloja

"Bikinirajatapaus ja muita sinkkuelämän iloja"の意味

まずはそれぞれの単語の意味です。
  • bikinirahatapausbikiniraja ビキニラインbikini ビキニ + raja 境界)+ tapaus ケース・事例
  • ja~と
  • muitamuu 他(の) の複数分格
  • sinkkuelämänsinkkuelämä シングルライフsinkku シングル + elämä 生活・人生)の単数属格
  • ilojailo 喜び の複数分格
つまり「ビキニラインケースと他のシングルライフの喜び」って意味になりますかね。その中で「ビキニラインケース」っていうのがいまいち分かりにくいでしょうね。

この本には各章にそれぞれ題がついています。その中の一つが「ビキニラインケース」です。そこでいう「ケース」がどんなものなのかは、その章に書いてあります。

アメリカのドラマを連想したのは、この書名のせいもあるかもしれません。ドラマ『セックス・アンド・ザ・シティ』は、フィンランド語では『Sinkkuelämää』という名で放映されていましたから。

著者について

Henriikka Rönkkönen(1984年~)は、ヘルシンキ在住の作家。国語・文学教師の課程を卒業。ちなみに、彼女の修士論文のテーマは「ポルノ」だったそうな。

最後に、彼女に関する参考サイトをリンクしておきます。

出版社ATENAのサイトより  Henriikka Rönkkönen

著者のホームページ  Henriikka Rönkkönen

2018年10月5日

📖【ジュニア文学】Yksi kevät:内戦時の少女たち

図書館の電子ブックの中から見つけた本。

重いテーマの本のようだったから借りずにおこうかとも思いました。でも、ジュニア向けということに気づいたので借りた次第。。ジュニア向けなら文章自体も読みやすいだろうし、あまりにも残虐な描写はないだろうと考えたので。

Yksi kevät

表紙の背景になっているのは、一部破れて皺やシミのついた厚紙。その上に包帯とはさみ、さらには血痕… つらく痛々しい物語であろうということは、この表紙からもすでに想像できます。
Yksi kevät
著者:Laura Lähteenmäki
表紙:Laura Lyytinen
出版:WSOY, 2018年

Aada・Linda・Jenny・Katri・Bea の5人は、靴工場で働いているときに知り合った仲間たち。でも今は工場では働いていません。戦いで傷ついた人たちの看護をする役をかってでたのです。

とはいうものの、十代の5人には、傷の手当てや看護の知識はほとんどありません。彼女たちは、十分な治療を受けられないまま死ぬ若者たちを目にすることになります。

そして戦いが大詰めを迎えるころ、5人の少女のうち4人が、自らも銃を持つために警護団に入団することに。

*****

物語自体はフィクションですが、その時代背景は史実に基づいたもの。そして、この物語の主な舞台は、1918年のフィンランド、タンペレ。

フィンランドの歴史をある程度知っている人なら、この時代背景と舞台を聞けば、どんな話なのか見当はつくはず。

フィンランドの内戦、赤衛軍の敗北…

この本を借りるのに躊躇した理由はそれでした。戦争の話はつらいから。

実際、つらい話でした。でも、希望の見える結末だったのが救いです。対象読者を考えてのエンディングなのかもしれません。

フィンランド内戦から100年。今年は内戦をテーマとした本が数多く出版されているようです。

出版社による、この本の紹介ページをリンクしておきます。

出版社WSOYのサイトより  Yksi kevät 

"Yksi kevät"の意味

yksi 1(つの)kevät で「一つの春」。本の内容から、これが1918年の春をさしているのは明らか。

著者について

Laura Lähteenmäki (1973年~) は、フィンランドのユバスキュラに住む作家。主に、ジュニア向けの作品を書いているようです。

学歴は哲学修士、および国語/文学教師。作家としてだけでなく、出版マネージャーとしても活躍しています。

彼女についての解説のあるページ。ともにフィンランド語です。

出版社WSOYのサイトより  Laura Lähteenmäki - WSOY 

フィンランド語版Wikipediaより  Laura Lähteenmäki – Wikipedia 

2018年9月29日

📖【小説】Unohdetut ovet:読者が主人公の行動を選択できる本

いつものように、図書館の電子ブックを「今一番借りられている順」に並べてみました。そのときに目に留まった本です。

Unohdetut ovet: Valintoihin perustuva syväkirja

Unohdetut ovet
- Valintoihin perustuva syväkirja -
著者:Minna Roininen
出版: Kirjalabyrintti,, 2015年

夫のSimonとともにストックホルムに住むAlma。Simonは研究者。Almaは家にこもってゲームにいそしむ日々。夫婦間はすっかりさめています。

そんなある日、Almaのもとに生命保険販売員だと名乗る男性がやってくる。そして「Almaが助けない限り、Simonの余命は2か月しかない」というのです。

いつのまにか、Simonの夢に関わることになるAlma。夢の中と現実がどんどん錯綜していきます。

*****

とても不思議なファンタジー作品。あまりにファンタジーすぎてすぐにはピンとこなかったけれど、おそらくこれは、Almaの成長物語なのでしょう。

ところでこの本、従来の本とはちょっと違います。従来の小説では、読み手に関わらず、ストーリーは最初から最後まで同じですよね。

でもこの本では、読み手がAlmaの行動をところどころで選択できるようになっています。そして、物語はそれに基づいて進んでいくのです。

だから、本のページ数は普通の小説よりすごく多い!この本のページ数はなんと1286頁!! 

読者は選択に基づいて読み進んでいくので、全ページを追って読んでいくわけではありません。選択肢にはリンクがはってあり、選択に基づいて物語の続きのページにとぶようになっているのです。

面白い電子ブックの特性の活用法に、とても感心しました。

この本に関する出版社のページです。


本の見本ページもリンクしておきます。


"Unohdetut ovet: Valintoihin perustuva syväkirja"の意味

それぞれの単語の意味です。
  • unohdetut:unohtaa 忘れる の受動過去分詞の複数主格 *文法用語苦手です。間違ってたらご指摘いただけるとうれしいです。
  • ovet:ovi ドア の複数主格
つまり「Unohdetut ovet」で「忘れられたドア」という意味。

そのあとの言葉は、副題というよりもこの本のタイプ?を表してるみたい。
  • valintoihih:valinta 選択 の複数入格
  • perustuva:perustua 基にする の現在分詞
  • syväkirja:(複合語) syvä 深い + kirja
直訳すると「選択に基づいている深い本」となりますが、日本語としては不自然だし分かりにくいですね。でも、うまい言葉が思いつかない…

著者について

Minna Roinisen(1989年~)はヘルシンキ在住の作家・心理学者。作品数はまだそれほど多くはないようです。

この本の出版社による、著者の紹介ページをリンクしておきます。

2018年9月27日

✐ -la/-lä語尾のフィン単語 その2

Humallahden uimala Meilahdessa
撮影:おおよそ1920年代
画像元: Humallahden uimala Meilahdessa | Museovirasto - Musketti | Finna.fi 
ライセンス:  CC BY 4.0 


前回( ✐ シベリウスとアイノラ(Ainola)と -la/-lä語尾のフィン単語)の続きです。フィンランド語の単語で、-la/-lä語尾のものを集めてみました。

ここでいう-la/-lä語尾…派生語尾っていえばいいのでしょうか?(文法用語をよく知らない😓)

いずれにしても、もとになる単語の語幹に-la/-lä語尾くっつけると、その単語と関係のある場所を表す新しい単語が出来上がるみたいです。

前回のは〈人 or 動物〉 +〈-la/-lä〉というパターン。-la/-lä をつけると、その人や動物が(住んで)いる場所を表す単語になるというものでした。

単語(の語幹)に -la/-lä をつけて作られたらしき単語は他にもいっぱいあります。とりあえず見つけたものをここにメモしておきます。
  • voimala 発電所voima
  • juustola チーズ工場juusto チーズ
  • kahvila 喫茶店kahvi コーヒー
  • ravintola レストランravinto 栄養・食べ物
  • ruokala 食堂ruoka 食べ物*社員食堂とか学食のイメージ
  • juottola レストランjuotto 飲ませること*ちゃらけたらしい表現らしい
  • kuppila レストラン・喫茶店・バーkuppi カップ*口語的
  • räkälä とってもきたないレストラン・喫茶店räkä 鼻水
  • asuntola 宿舎・寮asunto 住居
  • huvila 別荘huvi 娯楽
  • hoitola ケアセンターhoito ケア
  • neuvola サポートセンター・相談所neuvo 助言
  • kylpylä スパkylpy 入浴
  • pesula クリーニング店pesu 洗うこと・洗濯
  • kultala パラダイス・楽園kulta
  • onnela 幸福の国・楽園(onne → onni 幸福
  • tuonela あの世(tuone → tuoni
ここまでは、名詞の語幹に -la/-lä がついているもの。
動詞の語幹に -la/-lä がついたものもあるので、それもいくつか書いておきます。蛇足ですが、動詞の場合には、語幹の後に -ma-/-mä- をつけてから -la/-lä をつけることが多いみたい。
  • uimala 水泳場(ui → uida 泳ぐ
  • myymälä 売店(myy → myydä 売る
  • käymälä トイレ(käy → käydä 行く・立ち寄る
見つけた単語は他にもありますが、日本語訳が思いつかなかったのはここには書きませんでした。(-_-;)

それになんだか、このタイプの単語はいくらでも作れちゃう気が。探し出したら、おそらくきりがありませぬ。

そもそもフィンランド語には、これらの単語のように、もとの単語から派生させた言葉がとても多い気がします。そのおかげで、知らない単語の意味も推測しやすいし、覚えやすい。それに、単語が思いつかないときに勝手に派生語っぽいのを作ってしまっても、意外に相手に通じることも。

それにしても、こうやって単語を集めてみるのも面白いものですな。これからも時々やってみよう…

2018年9月21日

✐ シベリウスとアイノラ(Ainola)と -la/-lä語尾のフィン単語

昨日9月20日は、作曲家ジャン・シベリウスの命日でした。彼が亡くなったのは1957年、つまり61年前。

フィンランド国営放送 Yle のサイトで公開されている、シベリウスのお葬式(国葬だったようです)をおさめた短いドキュメンタリーです。



さて、その動画の最初に写っているのがこの家。シベリウス夫婦と子供たちが暮らした家、アイノラ。
Ainola, Järvenpää (アイノラ ヤルヴェンパー)
Jean ja Aino Sibelius ja tyttäret vas. Margareta, Katarina ja Heidi Ainolan pihalla
(ジャンとアイノ・シベリウスと娘たち。アイノラの庭にて)
撮影:Sundström Eric, 1915年
画像元: Ainola, Järvenpää | Helsingin kaupunginmuseo | Finna.fi 
ライセンス: CC BY 4.0 

ここをアイノラと名付けたのが、ジャン・シベリウス自身かどうかはわからないけれど、アイノラが、アイノ・シベリウスにちなんだものであるのは確か。Aino に -la をつけると、アイノが住んでいるところという意味合いになるので。

シベリウス夫婦が住んでいた、今は博物館ともなっている Ainola は固有名詞です。でも、普通名詞でも同じようなつくりになっているものはとってもたくさん!

せっかくなのでそういう単語を集めてみました。

まずは、「人を表す名詞または形容詞 + -la/-lä」で「その人が(住んで)いるところ」の意味になる単語。
  • mummola おばあちゃんちmummo おばあちゃん
  • anoppila 義母(配偶者の母親)の家anoppi 配偶者の母親
  • appela 義父(配偶者の父親)の家(appe- → appi 配偶者の父親
  • vauvala 保育園乳児クラスvauva 赤ちゃん
  • pappila 牧師館pappi 牧師
  • vankila 刑務所vanki 囚人
  • sairaala 病院(sairaa- → sairas 病気・病人 )
  • porttola 売春宿portto 売春婦
  • arkala 臆病者の住むところarka 臆病 *慣用句的な使い方をするようです。"Ei ole arkalasta kotoisin" というふうに)
似たような作りの単語で、人ではなく「動物 + -la/-lä」のパターンもあります。
  • kanala 養鶏場鶏小屋kana
  • sikala 養豚場豚小屋sika
  • lampola 用羊場羊小屋(lampo- → lammas *とはいうものの、実は "lampo-" という形の語幹はありません)
-la/-lä語尾の単語は他にもいろいろありますが、それについてはまた次回。

2018年9月18日

📖【推理小説】Kuolema ei rakasta ketään:ジョイ・グレース警部シリーズ第13作

図書館の電子ブックを「今一番借りられている順」に並べたときに目にとまり、借りた本です。

Kuolema ei rakasta ketään

この著者の本を今まで読んだことはありませんでした。でも、フィンランドではそれなりに知られているのだろうというのは、この表紙からわかります。

ほら、書名(Kuolema ei rakasta ketään)よりも著者名(Peter James)のほうがずっと目立つ…
Kuolema ei rakasta ketään
著者:Peter James
訳者:Maikki Soro
出版: Minerva Kustannus Oy , 2017年

美容師の Lorna Belling の夫婦生活は地獄。夫が暴力をふるうのです。そんな彼女が見つけた幸せが不倫相手の Greg。Lornaは、近いうちに Greg と一緒になれることを夢見て、現夫との日常に耐えています。

ところがある日、偶然目にした写真。そこには  Greg と彼の妻とが写っていました。Greg は Lorna に離婚をほのめかしていたのに、写真に写っていた2人はとても幸せそう。また、Greg も偽名だったことがわかります。

その後、Lorna の死体が発見されます。

事件の解決に奔走する Roy Graceたちのチーム。そして、犯人は意外な人物…

*****

この作品は、Roy Grace警部シリーズの第13作目だそう。このシリーズの今までの作品は、全部フィンランド語に翻訳されています。

フィンランド語版の出版社のページです。↓


"Kuolema ei rakasta ketään"の意味

この書名、文になってます。

主語は Kuolema
動詞部(って用語でいいのかな?)が ei rakasta。これは、動詞 rakastaa 愛する の三人称単数の否定、つまり 愛さない
そして最後の ketään は、ei rakasta の目的語。否定の不定代名詞 kukaan だれも の分格です。

ですから、全体の意味は『死は誰も愛さない』。

ちなみに原題は『Need you dead』。フィンランド語版の書名は、原題の訳というわけではなさそうです。

著者について

Peter James(ピーター・ジェームス 1948年~)はイギリスの推理小説(犯罪小説)作家。イギリスではとても人気のある作家だとのこと。

彼の作品は37の言語に翻訳されており、特にこの Roy Grace警部シリーズは、すでに1900万部もが売られているのだとか。

確かにこのシリーズ、フィンランドにも全作が翻訳されていますから、フィンランドでもそれだけ人気があるのでしょう。

とはいうものの、日本語には翻訳されていないのでしょうか。検索しても当たりませんでした。

今の時代、ホームページを持つ作家の方々、多いですね。Peter James氏のホームページを見つけたのでリンクしておきます。

2018年9月13日

📖【小説】Uljas uusi maailma:『すばらしい新世界』フィンランド語版

以前読んだ『Sapiens』(日本語版『サピエンス全史』)( 📖【歴史】Sapiens:『サピエンス全史』のフィンランド語版)に、この作品のことが書かれていました。それで、興味をもって読んでみることに。

原書の初版が1932年、フィンランド語版の初版が1944年、という古い作品にもかかわらず、私が手にした本は今年出版されたもの。日本語版も一番新しいのは2017年出版らしい.。

もしかして『Sapiens』の影響?

Uljas uusi maailma

Uljas uusi maailma
著者:Aldous Huxley
訳者:I. H. Orras
出版:Tammi, 2018年(初版 1944年)

この作品、サイエンスフィクションの古典ともいえるし、日本語にも何度か翻訳されています。ですから、ちょっと検索さえすれば内容に関する解説はすぐ見つかるはず。例えばこちら ↓


そんなわけで内容は置いといて… なんだかとても読みにくかったということだけ書いておきます。

フィンランド人の夫は、特に読みにくくないと言ってました。ということは、読みにくかったのは、私のフィンランド語力がまだまだ未熟だから…😢

でもきっと、訳が古いからってこともあるんじゃないかと自分を慰めています。この作品、フィンランド語での初版は1944年。その後、何度か再版はされているのですが、おろらく新訳版は出ていない…

日本語で読んだときとフィンランド語で読んだときでは、作品への印象って変わるのかな? …フィンランド語で本を読むようになってから度々考えます。

少なくともこの本については、日本語訳で読んだほうがすんなり読めて、もっとしっかり本の中の世界のイメージを描けたかもしれません。


フィンランド語版の出版社のサイトの、この本に関するページをリンクしておきます。

"Uljas uusi maailma"の意味

それぞれの単語の意味です。
  • uljas勇ましい凛々しいすばらしい
  • uusi新しい
  • maailma世界
原作名は『Brave new world』ですから、それがそのままフィンランド語に訳された感じでしょうか。

著者について

Aldous Huxley(オルダス・ハクスリー 1894年~1963年)は、イギリスの作家。詳しくは Wikipedia ↓ からでもご覧くださいませ。


数多くの作品の中で、フィンランド語に翻訳されているのは6作品のみ。日本語にはそれよりずっと多くの作品が翻訳されているようです。

2018年9月4日

📰 閉鎖されたマリンパークに残されたイルカやペンギンたち

Särkänniemen delfinaario, esitys käynnissä
(サルカニエミのドルフィナリウム ショー進行中)
撮影:Kanerva Teuvo,  1985~1986年
画像元:Särkänniemen delfinaario, esitys käynnissä | Museovirasto - Musketti | Finna.fi
ライセンス: CC BY 4.0 

フィンランドの新聞 Helsingin Sanomat のニュースサイト( Uutiset | HS.fi )に、こんな ↓ ニュースが掲載されていました。

「イルカや数十羽のペンギンが、日本で7か月前に閉鎖されたマリンパークに取り残された」…犬吠埼マリンパークの話です。

1月末に閉鎖されたマリンパークに残されている生き物たちについて書かれています。どうやら毎日新聞( Dolphin, 46 penguins left at shuttered aquarium in Chiba - The Mainichi )と、The Guardian の記事( 'Sick to my stomach': dolphin and penguins locked in derelict Japan aquarium | World news | The Guardian )がもとになっているようです。

ニュースの内容自体は、日本でも報道されている事かと思われるので、ここには特に書きません。でも、イルカのハニーに関連して書かれている最後の数行だけ紹介しておきます。おそらく、日本のニュースではこんなこと書かないでしょうから。
Honey on ollut merimaailmassa vuodesta 2005 saakka, jolloin se otettiin kiinni Japanin Taijista. Taiji tuli tunnetuksi alueen julmasta delfiininmetsästyksestä, jota kuvattiin Oscar-palkitussa The Cove -dokumenttielokuvassa vuonna 2009.
ハニーは、日本の太地で捕獲された2005年からマリンパークにいます。 太地は、2009年にアカデミー賞長編ドキュメンタリー映画賞を受賞した映画『ザ・コーヴ』で、残酷なイルカ捕獲が行われる地域として知られるようになりました。 

追記:冒頭の写真にあるドルフィナリウムは、タンペレにあったもの。2015年に閉鎖されました。閉鎖当時ここにいたイルカたちは、のちにギリシャに引っ越しました。

ドルフィナリウムというのはもう、時代遅れなのかもしれません。考えてみれば、娯楽のために動物を確保して見世物にするって、一昔前のサーカスで、変わった様相の人たちを見世物にしたのと同じようなことなのかも。