📕【小説】Toiset kasvot:ゴットランド島を舞台にした推理小説
今回も、図書館の電子ブックを借りました。
図書館の本ばかり借りているけど本を買うことはないのか?…と不審に思われそうですね。私の場合、どうしても手元に置いておきたい本は買いますが、それ以外は図書館利用。
日本では、図書館のせいで本が売れない…という話もでているようだけれど、フィンランドではそんなこと言いだす人いないでしょうし。
ふと思ったのですが「図書館のせいで本が売れない」というのって、例えば「公立高校のせいで私立高校が定員割れするから、公立学校の定員減らせよ」とか文句をいうのと同じようなレベルの話じゃないですかね?
「図書館のせいで…」っていう話がもちあがる日本が残念な国に思えてしまうのは、フィンランドの社会に慣れ親しみ過ぎたせいなのかな…
観光シーズンを間近に控えたスウェーデン、ゴットランド島ののどかな海岸の街 Ljugarni にある別荘の寝室から変死体が発見されます。死体は別荘の持ち主 Henrik Dahlman。よく知られた芸術家であり、妻も子供もいる男性。
Anders Knutas 警部が同僚たちとともに事件の解明に務めている中で、ストックホルムでも、同じような状態の死体が発見されます。
最初の場面が、ゴットランドとも殺人事件とも一見直接かかわりのないのない話で、いったいどこにどうつながっていくのかわからない。わけがわからないから読み進める。誰が犯人で、どこがどう繋がっているのか気になって、一気に読んでしまいました。
読みやすい本でした。途中で飽きて投げ出したくなる、なんてこともありませんでしたし。
ところでこれ、翻訳本なんですよね。読みやすかったのはそのせいかもしれない。
最近本を読むようになって気づいたのですが、最初からフィンランド語で書かれている小説は、時折読みにくいと感じることがあるのです。特に会話になっている部分。最初からフィンランド語で書かれている本には、スラングっぽい知らない言葉がバンバン出てくることがあるんですよね。でも翻訳ものだと、会話部分も普通のフィンランド語。たいがいはちゃんと辞書に載っていそうな言葉で書かれていることが多い。俗語がいっぱい使われているよりずっと読みやすい。
翻訳本が読みやすいのは、もちろん翻訳者の腕によるところも大きいのだろうけれど。
さらには、スウェーデンで、10年ほどニュースのアナウンサーとして、あるいはテレビ番組の司会者として活躍していたそう。
『Toiset kasvot』は、ゴットランド島を舞台にしたシリーズものの第13作目。全作品フィンランド語に翻訳されているようです。人気のある作品群ということでもあるのでしょうね。
日本語訳がされている本は見つかりませんでしたが、「マリ・ユングステッド」で検索してみたら、彼女に関する日本語の記述がちょっとだけ見つかりました。
《参考ページ》
Toiset kasvot | Otava (出版社による本の紹介ページ)
Mari Jungstedt | Otava (出版社による作者紹介ページ)
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図書館の本ばかり借りているけど本を買うことはないのか?…と不審に思われそうですね。私の場合、どうしても手元に置いておきたい本は買いますが、それ以外は図書館利用。
日本では、図書館のせいで本が売れない…という話もでているようだけれど、フィンランドではそんなこと言いだす人いないでしょうし。
ふと思ったのですが「図書館のせいで本が売れない」というのって、例えば「公立高校のせいで私立高校が定員割れするから、公立学校の定員減らせよ」とか文句をいうのと同じようなレベルの話じゃないですかね?
「図書館のせいで…」っていう話がもちあがる日本が残念な国に思えてしまうのは、フィンランドの社会に慣れ親しみ過ぎたせいなのかな…
Toiset kasvot
Toiset kasvot 著者:Mari Jungstedt 訳者:Emmi Jäkkö 出版:Otava, 2017年 表紙:Sofia Scheutz |
観光シーズンを間近に控えたスウェーデン、ゴットランド島ののどかな海岸の街 Ljugarni にある別荘の寝室から変死体が発見されます。死体は別荘の持ち主 Henrik Dahlman。よく知られた芸術家であり、妻も子供もいる男性。
Anders Knutas 警部が同僚たちとともに事件の解明に務めている中で、ストックホルムでも、同じような状態の死体が発見されます。
*****
最初の場面が、ゴットランドとも殺人事件とも一見直接かかわりのないのない話で、いったいどこにどうつながっていくのかわからない。わけがわからないから読み進める。誰が犯人で、どこがどう繋がっているのか気になって、一気に読んでしまいました。
読みやすい本でした。途中で飽きて投げ出したくなる、なんてこともありませんでしたし。
ところでこれ、翻訳本なんですよね。読みやすかったのはそのせいかもしれない。
最近本を読むようになって気づいたのですが、最初からフィンランド語で書かれている小説は、時折読みにくいと感じることがあるのです。特に会話になっている部分。最初からフィンランド語で書かれている本には、スラングっぽい知らない言葉がバンバン出てくることがあるんですよね。でも翻訳ものだと、会話部分も普通のフィンランド語。たいがいはちゃんと辞書に載っていそうな言葉で書かれていることが多い。俗語がいっぱい使われているよりずっと読みやすい。
翻訳本が読みやすいのは、もちろん翻訳者の腕によるところも大きいのだろうけれど。
"Toiset kasvot"の意味
それぞれの単語の意味です。- toiset:toinen 第2(の)の複数主格
- kasvot:顔(kasvo の複数主格。通常複数形で使う)
つまり、Toiset kasvot で『第二の顔』。
ちなみに原書名は『Det andra ansiktet』。スウェーデン語です。
ところで、「顔」を意味する kasvot がどうして複数形で使われるのかググってみたのですが、結局理由は見つかりませんでした。ズボン(housut)やメガネ(silmälasit)などが複数形なのは分かるけれど、顔ですよ。う~ん、どんな思考回路なんだろう?
一方で、「顔」を意味する naama という単語は、単数で使うのですよ。不思議です…
著者について
著者の Mari Jungstedt(1962年~)は、スウェーデンの作家。彼女の学歴がなかかか興味深い。経済を学び、教員養成校を出て、さらにジャーナリスト養成校卒業。職歴がさらに面白い。ツアーガイド、教員をスウェーデンで。モデル、ウエートレスの仕事をアメリカで。イタリアでブドウ摘みの仕事をしたこともあれば、マデイラで不動産を売る仕事をしていたこともあるそうな。(*_*)さらには、スウェーデンで、10年ほどニュースのアナウンサーとして、あるいはテレビ番組の司会者として活躍していたそう。
『Toiset kasvot』は、ゴットランド島を舞台にしたシリーズものの第13作目。全作品フィンランド語に翻訳されているようです。人気のある作品群ということでもあるのでしょうね。
日本語訳がされている本は見つかりませんでしたが、「マリ・ユングステッド」で検索してみたら、彼女に関する日本語の記述がちょっとだけ見つかりました。
《参考ページ》
Toiset kasvot | Otava (出版社による本の紹介ページ)
Mari Jungstedt | Otava (出版社による作者紹介ページ)
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