最近図書館に Timo Parvela の児童書の電子ブック版が数多く入ってきたもよう。図書館の電子ブック貸し出しサイトを見ると、EllaシリーズやPateシリーズの本が目に留まるのです。今の時代、児童書と言えど、どんどん電子ブック化されているんでしょうねえ。

そんな中から今回借りたのは、Ella シリーズの中の一冊です。

Ella ja kaverit konsertissa

表紙にいるのはオーケストラの指揮者、そして Ella と Pate?

Ella ja kaverit konsertissa
著者:Timo Parvela
イラスト:Mervi Lindman
出版: Tammi , 2018年

Ella とクラスメートは、担任教師に引率されて、オーケストラのコンサートに行きます。ところがコンサート会場で、みんながばらばらに離れてしまう。ひとりはトイレに行き、ひとりは鏡を探しに行き、ひとりは物をとりにもどり、担任教師は彼らを探しに行き、こんどはクラスメートたちなかなか戻ってこない先生を探しに行く…




Ella のクラスメートも担任教師も、他の登場人物もしっちゃかめっちゃかで、例にもれず楽しい本。

楽しいだけじゃなくて、オーケストラに関する基礎知識も含まれています。
Orkesterisoittimet on jättu ryhmiin. Yhdessä ovat jousisoittimet, toisessa puupuhaltimet, kolmannessa vaskipuhaltimet, neljännessä lyömäsoittimet ja viidennessä harput ja kosketinsoittimet.
オーケストラの楽器はグループに分けられています。第一のグループが弦楽器、第二が木管楽器、第三が金管楽器、第四が打楽器、第五はハープと鍵盤楽器です。
 とうのは、本の中での先生の子供たちへの説明です。

更に巻末には、オーケストラについて、そしてそこで使われているそれぞれの楽器名とその解説も。

フィンランド語の楽器名は、その多くが外来語っぽい。だから、たとえばフィンランド語で oboe と呼ばれている楽器が何のことかは、おそらく日本人にもすぐ分かる(オーボエ)。あるいは、trumpetti。語末がちょっとフィンランド語化しているけれど、何の楽器のことかすぐに見当がつくでしょう(トランペット)。

でも、中には日本で知られている楽器名とすぐに結びつかないものもあります。そういうものをいくつかここに書きだしておきます。
  • viulu バイオリン
  • alttoviulu ビオラ
  • poikkihuilu フルート
  • käyrätovi ホルン
  • pasuuna トロンボーン
  • lautaset シンバル
  • patarumpu ティンパニ
  • isorumpu バスドラム
  • kellopeli グロッケンシュピール
シンバルのことを lautaset というのには感激!(lautaset は lautanen の複数形)

"Ella ja kaverit konsertissa"の意味

それぞれの単語の意味です。
  • Ella この本の主人公(語り手)の名
  • ja ~と
  • kaverit 友達・仲間たち(kaveri 友達・仲間 の複数主格)
  • konsertissa コンサートで(konsertti コンサート の単数内格)
意味は分かるけれど、うまく日本語にできないのはいつものこと。「エッラと仲間たち コンサートに行く」とでも意訳しておきます。