図書館から借りた本。大きさと厚さと中の雰囲気がわかるように、こんな写真を撮ってみました。これなら、あとからでもどんな本かを思い出しやすくていいかもしれない。中身も思い出せるかどうかは別として。


Eläin ja ihminen:
Mikä meitä yhdistää?
著者:Helena Telkänranta
出版: Suomalaisen Kirjallisuuden Seura , 2016年

書名の意味は「動物と人間:共通点は何か(←意訳😓)」。

近年の比較認知科学分野における様々な研究結果を、一般人にもわかりやすいようにまとめて紹介してくれている本。

この分野では一昔前まで、人間に近いサル類の研究が主だったけれど、近年は、人間に近い遠いは関係なく、より広く研究が行われているらしい。それでもまだ、魚類や爬虫類、さらには脊柱動物以外の生き物に関しての研究は少ないので、今後研究が進むにつれて、多くのことが分かってくるだろうという話。

人間とほかの動物との大きな違いの一つとして、道具の使用について語られていたのは、それほど以前のことではない気もするけれど、今はサルの仲間や一部の鳥たちなどが道具を使うのは普通に知られていること。そんなふうに「人間だけ」じゃなくて、実は多くの動物間で共通の特徴が、これから先もいろいろと見つかるのだろうね、きっと。

この本では、研究の結果だけではなく、その結果がどのように導き出されたのかについても書かれていて、それがまた興味深い。例えば動物たちにリズム感があるかどうかの研究。研究素材が、YouTubeに公開されている多くの動画というところがまずとっても現代的。犬が踊っていたり猫が踊っていたり…といろいろあるけれど、本当にリズムを感じて動いているのか確かめるためにどうしたかっていうのが、単純なのだけれどなるほどなのです。

まあ結果をいえば、犬や猫にはリズム感はないみたい。一方で、インコ、それから象が、音楽のリズムに合わせて動いていることが分かったそうです。

他にも興味深い話はいろいろあって…たとえばシジュウカラのさえずりには語順(?)があるとか、動物たちは数を認知できるのかとか…今まで知らなかったことにたくさん出会いました。

この本の著者は、1965年生まれの生物学者。専門の領域について書いているわけなので、詳しいのは当然かもしれません。でも、この本を書くために読んだ研究論文の数を想像すると、とにかくすごいと思うのです。

最後に、出版社のサイトから見つけたページをリンクしておきます。