Myrskuluoto シリーズの最終作です。

Hyvästi MyrskyluotoMyrskyluoto より)
著者:Anni Blomqvist
訳:Björn-Christer Lindgren & Liisa Ryömä
出版:Gummerus 2010年


ずっとこの本↓を読んできたわけですが、やっと読了!!

Myrskyluoto
著者:Anni Blomqvist
訳者:Björn-Christer Lindgren & Liisa Ryömä
出版:Gummerus  2010年
(参考: Myrskyluoto | Gummerus Kustannus 


シリーズ最終作である5作目『Vägen från Strormskäre』は、スウェーデン語で1973年に出版されました。そのフィンランド語訳『Hyvästi Myrskyluoto』の最初の出版は、1976年です。


夫 Janne が帰らぬ人となってからも、Maija は Myrskyluoto を離れることなく、子どもたちとともにたくましく生き抜いていきます。

そして月日は流れ……

Maijaが Myrskyluoto を去る場面で、小説は幕を閉じます。

追記:テレビドラマ視聴可に

1976年にテレビドラマ化(全6話)されたMyrskyluoto シリーズを、フィンランド公共放送Yleがオンデマンドのサイトで現在公開してくれています。国外視聴可能です。

小説の第5作目にあたるのは、ドラマの最終回後半です。


小説には描かれている Janne の亡きあとの Maija と子どもたちの生活にについては、ドラマでは大幅に削られています。

時代の流れ

20世紀は社会が大きく変わっていった時代だという認識はあっても、19世紀の社会の変化というのは、あまり考えたことはありませんでしたわ。

でも考えてみれば、19世紀だって、その時代に生きた人々にとっては、いろいろな変化があったんでしょうね。

例えば、Maija は、親のいうままに結婚。それが当たり前の時代。

19世紀も末になると、フィンランドからもアメリカに移民として移り住む人々が増えます。小説の中でも、Maija の末っ子、そしてそののち孫たちもアメリカへと渡っていくようです。

「今どきの若いものは…」という言葉は、昔から言われているそうな。いつの時代でも、人の一生という短い年月の中にさえ、社会は大きく変わるものなのですね。

"Hyvästi Myrskyluoto" の意味

書名の意味を見てみます。

"Hyvästi"

別れの挨拶です。ですから日本語では、さようならですね。

ただし、この hyvästi には、永遠の別れのニュアンスがあります。ですから、普通の挨拶としては使われません。

"Hyvästi Myrskyluoto"

Myrskyluoto は小説の舞台である島の名前。

Hyvästi Myrskyluoto で、さようなら Myrskyluoto となります。


小説そのものの魅力なのかドラマ化の影響なのか

Myrskyluoto シリーズがフィンランド語で最初に出版されたのは1970年代。そして、その後も何度か再出版されています。実際、私が手にした本も 2010年出版。

長年の間それなりに人気があるのは、小説そのものの魅力? それともドラマ化されたから? ドラマのテーマ曲が愛されているから?

私自身がこの本を読むきっかけはドラマのテーマ曲(関連記事 音楽とテレビドラマとその原作)。そのきっかけがなければ、この本を手にすることはなかったかもしれません。


まあきっかけは別にして、この作品については、ドラマよりも本のほうがよかったです。ドラマのDVDではなく本を借りてきて正解でした。