📗【小説】Meren voimia vastaan:Myrskyluoto シリーズを読む Ⅳ ~海と死~
Myrskyluoto シリーズ4作目です。
全5作が1冊にまとめられているので、手にしているのは相変わらずこの本。
原題は『I kamp med havet』。1971年に出版されました。そのフィンランド語訳『Meren voimia vastaan』が最初に出版されたのは 1976年です。
火事の後、冬の寒さから逃れるために、Maija の家族は彼女の実家に身を寄せます。
実家の家族や地域の人々に助けられて冬を越した Maija の家族ですが、Maija たちにとっての「家」はあくまで Myrskyluoto。暖かくなり島に戻れる時期になると、すぐ、家族みんなで島にもどります。そして、再び Myrskyluoto での生活が始まります。
フィンランドの公共放送Yleで放映された Myrskyluodon Maija (関連記事 音楽とテレビドラマとその原作)のストーリーは、小説とほぼ同じように展開していきます。
この第4作目に該当するのは、ドラマの4話途中から~6話の途中まで。
Meren voimia vastaan(Myrskyluoto より) 著者:Anni Blomqvist 訳:Björn-Christer Lindgren & Liisa Ryömä 出版:Gummerus 2010年 |
全5作が1冊にまとめられているので、手にしているのは相変わらずこの本。
Myrskyluoto 著者:Anni Blomqvist 訳者:Björn-Christer Lindgren & Liisa Ryömä 出版:Gummerus 2010年 (参考: Myrskyluoto | Gummerus Kustannus ) |
原題は『I kamp med havet』。1971年に出版されました。そのフィンランド語訳『Meren voimia vastaan』が最初に出版されたのは 1976年です。
火事の後、冬の寒さから逃れるために、Maija の家族は彼女の実家に身を寄せます。
実家の家族や地域の人々に助けられて冬を越した Maija の家族ですが、Maija たちにとっての「家」はあくまで Myrskyluoto。暖かくなり島に戻れる時期になると、すぐ、家族みんなで島にもどります。そして、再び Myrskyluoto での生活が始まります。
フィンランドの公共放送Yleで放映された Myrskyluodon Maija (関連記事 音楽とテレビドラマとその原作)のストーリーは、小説とほぼ同じように展開していきます。
追記:テレビドラマ視聴可に
1976年にテレビドラマ化(全6話)されたMyrskyluoto シリーズを、フィンランド公共放送Yleがオンデマンドのサイトで現在公開してくれています。国外視聴可能です。この第4作目に該当するのは、ドラマの4話途中から~6話の途中まで。
海と死
Myrskyluoto シリーズの1作目からずっと感じているのは、死は身近なものなんだということ。
主人公 Maija は、「死」や「死人」というものを、少女時代からとても恐れていました。でも、そんな Maija も、人生の中で何度となく死と向かい合うことになります。
主人公 Maija は、「死」や「死人」というものを、少女時代からとても恐れていました。でも、そんな Maija も、人生の中で何度となく死と向かい合うことになります。
19世紀を語ろうとすれば、「死」というものを身近に描きざるを得ないのかもしれません。海に囲まれた環境です。海に命を奪われた人々も多かったのでしょう。
もしかすると、夫と息子を海で亡くした著者が、小説の中に「死」を取り上げることで、自分の心を整理したかったのかも。
もしかすると、夫と息子を海で亡くした著者が、小説の中に「死」を取り上げることで、自分の心を整理したかったのかも。
"Meren voimia vastaan" の意味
書名の意味を見ていきましょう。
"Meren"
海を意味する単語 meri の単数属格。meren で 海のという意味になります。
"voimia"
力を意味する単語 voima の複数分格です。分格なのは、後置詞 vastaan が分格形の単語を前にとるためです。
"vastaan"
後置詞です。向かってあるいは対してという意味です。
"Meren voimia vastaan"
直訳すると、海の力に向かってでしょうか。ちょっと意訳して、海に立ち向かう、あるいは海との戦いっていってもいいかな。原題が『I kamp med havet』ですし。
最終作へ
4作目は、火事のとき以上に重く幕を閉じ、最終作へと続きます。
コメント
0 件のコメント :
コメントを投稿