近藤真理恵著『人生がときめく片づけの魔法』のフィンランド語版を読んだのは数か月前のこと。

その続編もフィンランド語に訳されています。先日、図書館からその電子ブックを借りて読んでみました。

KonMari - Iloa säkenöivä järjestys


KonMari - Iloa säkenöivä järjestys
著者:Marie Kondo
訳:Päivi Rekiaro
出版:Bazar  2016年
画像元:KonMari – Iloa säkenöivä järjestys - Bazar Kustannus

片づけの具体的な方法が書かれています。特に目を引いたのが、衣類のたたみ方のあまりにも具体的な記述でした。

そういうのを読んで目からうろこが落ちるという人もいるかもしれないけれど、そこまで言われたくないわ、という人もいるでしょうね。ちなみに私は後者…ひねくれ者です。

話題になっているし、原作は日本のものだし、ということで読んでみた本です。でも、この本は読まなくてよかったかも。1冊目を読めば十分だった気がします。


さて、本の内容そのものとは直接関係がないけれど、本を読みながらふと考えたことを2つほど書き留めておきます。

原作で読んだら受け取り方はかわっていたのか?

日本語でも文体によって受ける印象が多少変わる、ということを考えると、本に書かれている言語によって本に対する印象も変わるというのはあり得そうです。一方で、内容そのものは変わらないはずだから、本に対する解釈がそれほど変わるとも思えません。

私が読んだのはフィンランド語版、それも英語からフィンランド語に翻訳されたもの。
日本語版であったら読後感は今と違っていた?それとも日本語でもフィンランド語でも読んだ印象に違いなんてない? …どうなんでしょうね?

片付けは女性の仕事?

特に明言はされていないけれど、この本の対象読者は女性でしょう。特に、下着とか化粧品についてはの項を見てそう思いました。

でも、こんまりさんの本は国外でも話題を呼び受け入れられた…ということは、国外でも家の片付けをするのが女性、というのが違和感なく受け入れられた、ということ?

そう考えると、ちょっと複雑な気分です。

"KonMari - Iloa säkenöivä järjestys"の意味

KonMari は「こんまり」さんそのままなので、意味のチェックは副題のほうだけ。
  • iloailo 喜び の単数分格
  • säkenöivä輝く。きらめく。活気のある。(動詞 säkenöidä の現在分詞)
  • järjestys順番。秩序。(英語の order に相当)
日本語にすると「ときめく片づけ」?

前作と同じで、この本も英書 "Spark Joy. An Illustrated Master Class on the Art of Organizing and Tidying Up" からの翻訳です。

Iloa säkenöivä が Spark Joy からの訳というのは明らかですね。

日本特有のものをどんな言葉で表しているか

日本独特のものってありますよね。原作が日本語だと、そういうものもよく出てきます。それをどう説明しているか、どう訳しているか、というのもなかなか興味深い。

本の中に出てきた言葉をいくつかメモしておきます。

納豆

... natto on hapatetuista soijapavuista valmistettu aamiaisruoka ... (p.134)
納豆とは発酵させた大豆から作られた朝食
朝以外でも納豆食べるんじゃね?…というつっこみはしないでおきましょう。

甘酒

... amazakea, riisistä käyttämällä valmistettua makeaa puuromaista sakea, ... (p.140)
甘酒、米を発酵して作られた甘いおかゆ状の酒

「人の足元を見る」?

Japanissa meillä on ilmaisu "katsella toisen jalkoja", mikä tarkoittaa toisen arviointia. (p.65)
日本には「人の足元を見る」という表現がある。それは、人を評価することを意味する。
微妙に意味が違う気がする、と思うのは私だけ?翻訳のせい?
それとも、"katsella toisen jalkoja" のもとの日本語が「人の足元を見る」じゃないのかな?

その他

luumupikkelssi という言葉がありました。おそらく梅干しのことですね。

takiaisenjuuri はゴボウのことらしい。takiainen という植物は知っていたけれど、その根っこがゴボウだとは知らなかった…(正確には isotakiainen  の根っこが ゴボウ)。

単語一つだと問題ないのですが、私には料理が意外に想像しにくくて…

例えば、sakessa marinoitu friteerattu tofu(お酒に漬け込んだ揚げ豆腐?)。私にはこれがなんなのか、全くピンときません。誰か教えて~


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