今回も、図書館から借りた電子ブックです。フィンランドの内戦がテーマの本。自分の好みを基準にすれば、おそらく読むことはなかったと思います。戦争ものとか、あんまり好きじゃないのです。

でも「今一番借りられている本」で上位にあったので借りてみた次第。話題になっている本なのでしょう。さっき地域の図書館のウェブサイトで見てみたら、現在のこの本の予約者数は51名でしたから。

Tammikuu 18 -kertomus-

Tammikuu 18
kertomus
著者:Antti Tuuri
出版:Otava, 2017年

フィンランド語を全く知らない人がこの表紙を見たら、書名がどれかわからないのでは?
この本も、他の本(例えば 【本(小説)】Paras mahdollinen maailma:ベルリンの壁と深い悲しみ
【本(小説)】Hot dog:私立探偵 Vares シリーズの最新作)と同じように、著者名が書名よりもずっとでかい!よく知られた著者だから?

内容は…

1918年の1月の出来事が淡々と語られていきます。

ロシア革命、そしてフィンランドの独立の後も、ロシアの軍隊はフィンランドにとどまっていました。ロシアの情勢のために、国からの食糧・給金の支給が滞ったこともあって、ロシア兵たちは、民間人から食料を略奪したり、なんていうこともしていたらしい。

そんなロシア兵たちを追い出すために、立ち上がる…

1918年の1月という限られた期間、さらに、限られた地域(Pohjanmaa)での出来事を語っています。その時期のその地域では(少なくとも小説の中では)まだ、白衛軍と赤衛軍との戦いには発展していません。

主人公である語り手とそれを取り巻く人々はすべて「白衛軍」側の人たち。つまり、内戦の始まりが「白衛軍」の視点によって描かれているといえるでしょう。

"Tammikuu 18 -kertomus-"の意味

表紙には副題ないですけど、扉のほうには "kertomus" という言葉がついています。
  • tammikuu一月
  • kertomus語り。物語。
Tammikuu 18 は、「1918年1月」ということでしょう。なんで「1918」ではなく「18」のみにしたのかはよく分かりませんが。

著者について

著者の Antti Tuuri(1944年~)はフィンランド人の作家。故郷を舞台にした小説を数多く書かれているそうな。そういえばこの『Tammikuu 18』の舞台も、著者の故郷界隈です。

1997年のフィンランディア賞をはじめとして、数々の賞も受賞されているようです。

《参考ウェブページ》

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