なんだか最近、電子ブックを読む気になれません。

電子ブックは大きい文字で読むこともできるし、アンダーラインなんかもつけられるし、検索機能もあって確かに便利。でも、ぱらぱらとページをめくるってことができなくて、なんだか欲求不満になるのです。

そんなわけで、今後しばらくは紙の本を読んでみようと思っているところです。

今回は、図書館で何気に手に取った本。「読むための本」というよりは「つくるための本」。つまりレシピ本のようなものです。

Perinnetaidot: käsikirja kaikille

Perinnetaidot:
käsikirja kaikille

著者:Elina Koskelainen & Heikki Saure
挿絵:Katariina Pakarinen
出版:Suomen kirjallisuuden seura, 2014年

フィンランドの昔ながらの手仕事の技法がいろいろ紹介されています。「いろいろ」ってほんとに「いろいろ」です。

ちなみに、この本に関する図書館のページに、この本の内容・テーマとして挙げられているのが次の言葉。ほんとに「いろいろ」…
käsityöohjeet(クラフト品の作り方)
käsityöt(工芸)
askartelu(工作)→ luonnonmateriaalit(自然の素材)
punontatyöt(組細工)
värjäys(染色)
kynttilät(ロウソク)→ valmistus(制作)
puutyöt(木工)
ruoanvalmistus(料理)→ ruokaperinne(食の伝統)
kädentaidot(手の技術)→ historia(歴史)
käsityöperinne(工芸の伝統)→ Suomi(フィンランド)
具体的にどういうものの作り方が書かれているかといえば、例えば、フィンランドの伝統料理であるカラクッコ(魚をライ麦パンで包んで焼いたもの)やカレリヤパイなどの料理。あるいは、ヤナギの枝のホイッスルや鳥の巣箱のような工作・木工。さらには、編み物やバンド織…

技法自体は伝統のものだけれど、材料や作るものは、今の時代に合わせられています。材料でいえば、白樺の皮や木の薄板は厚紙で代用、麦わらを使う代わりにストローやビーズを使う、というように。

結構手のかかる物の作り方も書かれていますが、逆にとっても簡単に作れるおもちゃ(?)も紹介。コウホネの実で作る豚とかトウヒの実(松ぼっくりみたいなやつ)で作る馬とか。

ちなみにどちらも、日本でお盆に備える、キュウリやナスで作る動物と作り方は同じです。国は違っても人の考えることってあんまり変わらないのかも。

この本、読み物ではないのだけれど、工芸品にかかわるた歴史や伝統についてもちらほら書かれていて、それがなかなか興味深かったですわ。

"Perinnetaidot: käsikirja kaikille-"の意味

グーグル先生に翻訳してもらったら「伝統スキル:皆のためのハンドブック」。…うん、これで通じますね。

それぞれの単語の意味です。
芬日辞典は使っていないしフィンランド語をちゃんと勉強したわけではないので、あくまで参考としてご覧ください。
  • perinnetaidotperinnetaito 伝統技術perinne 伝統 + taito スキル・技術)の複数主格。
  • käsikirja ハンドブックkäsi + kirja )。
  • kaikillekaikki みんな の向格。

著者について

Elina Koskelainen女史 は文化に関わる様々な仕事にとりくんでいる方。Heikki Saure氏 は作家です。

《参考ウェブページ》
Perinnetaidot