図書館からオーディオブックを借りてみました。

だいぶ前にもオーディオブックを試しに借りたことがありました。でもその時はブラウザもアプリも使い心地がよくなくて、それっきりに。

でも今回久しぶりに借りてみたら、アプリも前より安定していて、使い心地もそう悪くない。音声の速さも0.5倍から3倍まで調節が可能。フィンランド語がまだ通常の速さで聞き取れない人も活用できそうです。逆に速聴もできますね。でも、3倍の速さで聞き取れる人なんているのだろうか? 私は、かなり集中しても2倍が限界でした。

なにはともあれ、オーディオブックの何がいいって、他のことをしながら本が読める(聴ける)こと。これからはもっと活用していくつもり。

Näkymätön lapsi ja muita kertomuksia

Näkymätön lapsi ja muita kertomuksia
著者:Tove Jansson
訳者:Laila Järvinen
朗読者:Tytti Paavolainen, Ahti Jokinen
出版: WSOY , 2015年

ムーミンシリーズは日本でもよく知られているし、この本も『ムーミン谷の仲間たち』という名で日本語訳されています。だから、ちょっとググれば、本のあらすじなどもすぐ見つけることができるはず。そんなわけで、ここではそれはおいておきましょう。

そのかわり、驚いたことをひとつ。

今回初めて、フィンランド語でムーミンシリーズを読み(聴き)ました。そして初めて知りました。ムーミン谷の住人たちの手は「käsi」じゃなくて「käpälä」だった!!!

フィンランド語で人の手のことを käsi っていうけれど、ムーミン谷の住人たちの手は käsi じゃないんですよ。考えてみれば、確かに彼らは人間ではない…

一方、 käpälä といえば一般には犬や猫や熊などの足。そして実は、ムーミン谷の住人たちの四肢も käpälä。ムーミン家族はともかく、スナフキン(フィンランド語名 Nuuskamuikkunen)の手も käpälä なのです。この本を読む(聴く)まで、全く知りませんでしたわ💦  

日本語訳は「手」になっているのかな? ムーミンシリーズはずうっと昔に読んだことあるけれど、そのへんのことはぜんぜん覚えてない…


出版社のサイトからの参考ページです。


もちろんこの作品は、印刷されて本にもなっています。どうやらペーパーバックもあるらしく(Näkymätön lapsi ja muita kertomuksia )、そのサンプルページがあったのでリンクしておきます。



そして日本語版。Kindle版もあるみたい。


"Näkymätön lapsi ja muita kertomuksia"の意味

それぞれの単語の意味です。
  • näkymätön見えない
  • lapsi子ども
  • ja~と
  • muitamuu 他(の)の複数分格
  • kertomuksiakertomus 物語 の複数分格
「見えない子どもと他の物語」という意味になります。

原作はスウェーデン語『Det osynliga barnet och andra berättelser』。フィンランド語の書名は、このスウェーデン語からの訳になってますね、きっと。

日本語の書名は意味からすると原作の書名とは違うけど、わかりやすくていい書名だなって思います。さすがですよね、翻訳者とか出版社って。

著者について

Tove Jansson(トーベ・ヤンソン 1914~2001年)は、ヘルシンキ生まれの作家、画家、イラストレーター、哲学博士。

ムーミンの生みの親ということで、日本では一番よく知られているフィンランド人作家かもしれません。彼女やムーミンについて書かれている日本語のサイトはたくさんあるので、詳しくはそちらのほうをごらんください。

最後に蛇足…

彼女の母語はスウェーデン語。ムーミンの原作もスウェーデン語で書かれています。つまり、ムーミンを原作で読みたければフィンランド語ではなくスウェーデン語を勉強しなきゃいけませぬ。たまに誤解されていることがあるようなので、念のため…