近頃の子供たちは、電子ブックも活用しているのでしょうか。図書館の電子ブックサイトで「今一番借りられている順」に本のリストを並べたとき、2番目にきたのがこの本でした。

Supermarsu palaa tulevaisuuteen
著者:Paula Noronen
イラスト:Terese Bast
出版:Tammi  2014年
画像元:http://www.kirja.fi/kirja/?ean=9789513177997

見るからに子供向けの本ですよね。そして、なかなかユニークなイラストです。

Supermarsu palaa tulevaisuuteen

まずは、書名の意味。

"Supermarsu palaa tulevaisuuteen"の意味

それぞれの単語の意味です。
  • supermarsuスーパーモルモット(複合語:super スーパー + marsu モルモット
  • palata戻る帰る
  • tulevaisuus未来
この書名は、文になっています。
supermarsu が主語。
palaa palata の3人称単数現在形。
tulevaisuuteen tulevaisuus の入格(illatiivi)

Supermarsu palaa tulevaisuuteen は、すなわち「スーパーモルモットが未来へ帰る」という意味になります。

スーパーモルモットが犬の未来を救う

主人公は11歳の Emilia という女の子。ということは、この本は小学校の中・高学年あたりを対象にしているのでしょう。

Emilia には不思議な力があります。彼女のペットであるモルモットのためのボトルから水を飲むと、スーパーモルモットに変身するのです。どうしてそうなったかといういきさつは、この本からは分かりません。というのも。この本はシリーズもの。どうやら7作目のようです。

Emilia は、ある夜モルモットのボス(巨大なモルモットらしい)に連れられて、西暦3000年の世界に行くのです。人間の生活はとても幸福そうなのに、なぜか犬は不幸せ。西暦3000年の犬が不幸になったその根源は現代にある。スーパーモルモットに与えられた使命が、その根源を突き止めてなくし、未来の犬を幸福にするということ。

…他愛のないストーリーですが、なかなか楽しめました。私の精神年齢のせいか?


ところで、Emilia の両親は、どうも離婚しているらしい。Emilia は、母親とそのボーイフレンドと暮らしていますが、父親にも時々会います。そして父親にもガールフレンドがいます。でも、そういうこともすごくさらっと書かれています。

また、とあるクラスメートには、2人のお母さんがいます。その子の両親は女性同士のカップルというわけです。そんなことも、ごく普通にさらっと書かれている。

そういうことにも好感が持てる本でした。

著者について

Paula Noronen(1974年~)は、ラジオ・TVプレゼンター、脚本家、作家。
いくつかのラジオ番組・テレビ番組を通じて知られているようです。私はぜんぜん知らなかったのだけれど。