図書館から借りた電子ブックです。「今一番借りられている順」に並べたら、トップに来たので借りました。トップ、といってもその時に借り出し可能だった本の中でのトップです。

最近、電子ブックを借りる人も増えているみたい。「今一番借りられている順」に本を並べると、上位の方はほとんどが貸し出し中なのです。予約を利用している人も増えているようで、人気のある本は数十番待ち…

私自身は、紙の本は予約することが多いですが、電子ブックはその時にすぐ借りられるものを選んで借りることにしています。そのほうが、意外な本に出会えることがありそうな気がするので。

K15

K15
著者:Jyri Paretskoi
出版:Otava, 2018年

あと2週間で15歳になる Roni はちょっと変わった子。人が本気で言っているのか冗談で言っているのかいまいち区別できません。それぐらいだから、Roni 自身も、本音と建前の区別が全くない。よく言えば、とってもストレートな子です。

ある日の作文の時間のこと。クラスメートたちは作文を書き進めてるのに、Roni は書き始めることもできないでいます。どうやら課題は、趣味について書くこと。

様子を見に来た先生が、趣味がないという Roni に「じゃあやりたいと思っていることは?」「好きなことは?」とたずねます。それに対する素直な Roni の返答をきいたクラスメートたちが大笑い。Roni はまじめに答えたのに。

このやり取りを、とあるクラスメートが録画しネットに流したものだから、Roni は学校中の笑いものに。

幸いなことに、Roni には小さい時からの友達 Niko がいます。そして、転校してきたばかりの女の子 Sara とも親しくなります。

*****

中学生ぐらいを対象にしたシリーズもの第一作目。

時折とんでもない展開に、一人で大笑いしてしまいました。最後の展開は、あまりにもできすぎって感じはしたけれど、そう感じてしまうのは単に私がひねくれた大人だからなのかもなあ。

出版社の本の紹介ページをリンクしておきます。

"K15"の意味

ここでの K kielletty 禁止 の略語。K15 で、kielletty alle 15-vuotiailta 15歳未満禁止

Roni は母親との2人暮らしです。母親にたずねたいことはいろいろある。でも、この母親、都合の悪い質問には、「それは15禁の質問だから、あなたがもっと大きくなってからね」と言ってきたようなんですね。で、Roni はそれを素直に受け取って、15歳の誕生日が来たら質問しようと、15禁だといわれた質問をノートにメモしてとってある…

「K15」という書名はそんなところからつけられたのでしょう、きっと。


本とは関係ないけれど、略語の意味を確認するのによさげなページを見つけたのでリンクしておきます。

著者について

Jyri Paretskoi(1979年~)は、フィンランドの作家。今までにいくつかの賞を受賞しています。また、彼は中学校の国語教諭なんですって!! びっくり!!!

こんなタイプの本を書く国語教師って日本ではあり得ない気がします。というのも、私がこの本で初めて知った単語をいくつか挙げると、lerssi, runkkaaminen, dildo, stondis ...(それぞれの意味を書くのはひかえておきます(^_^;))そしてこれは、中学生対象の本なんですよ。さすがはフィンランド!


著者に関する出版社のページです。

Wikipedia にも記述がありました。フィンランド語ですけどね。