【フィン語】「下がる」のが「上がる」のだという不可思議
冬場は特に、気温が気になるものです。
冷え込みが厳しくなれば水道の凍結が気になるし(我が家はボロ家…)、気温が上がれば上がったで、路面状態が気になります。
逆に「気温が下がる」は
例えば、-20℃ の気温から -10℃ になるとします。このとき「気温」は「上がる」ということになりますよね。ところがこの時 pakkanen を主語として
逆に、-10℃の気温から -20℃ になれば「気温」は「下がる」ことになりますが、
マイナスの記号を無視して、数字のみを見れば、「上がった」「下がった」も納得できますが、
ググってみると、どうもフィンランド人でさえも混乱することがあるようなんですよ。
冷え込みが厳しくなれば水道の凍結が気になるし(我が家はボロ家…)、気温が上がれば上がったで、路面状態が気になります。
気温が上がる・気温が下がる
気温をフィンランド語にすると、ilman lämpötila となります。ilman は ilma 空気の属格、lämpötilä は温度。つまり、ilman lämpötila 空気の温度 → 気温。
でも、何の話題なのか分かっていれば、特に ilman という言葉をつけなくとも話は通じますから、「気温が上がる」をフィンランド語で
Lämpötila nousee.ということができます。(nousee は nousta 上がる の現在形・3人称単数)
逆に「気温が下がる」は
Lämpötila laskee.(laskee は laskea 下がる の現在形・3人称単数 )
氷点下の時
冬場は、pakkanen という言葉をたびたび耳にします。氷点下のことです。
例えば kolme astetta pakkasta(kolme 3、astetta は aste 度 の単数分格)は、-3° … miinus kolme astetta (miinus マイナス)のことです。
日本語でも、「氷点下3度」とも「マイナス3度」ともいいますから、これは不可思議でもなんでもない話。
でも、pakkanen という言葉を使って、気温が「上がる」か「下がる」か表そうとすると、不可思議な世界に入ってしまう…
例えば、-20℃ の気温から -10℃ になるとします。このとき「気温」は「上がる」ということになりますよね。ところがこの時 pakkanen を主語として
Pakkanen laskee.ということがあります。 つまり、Pakkanen は「下がる」。
逆に、-10℃の気温から -20℃ になれば「気温」は「下がる」ことになりますが、
Pakkanen nousee.Pakkanen は「上がる」。
マイナスの記号を無視して、数字のみを見れば、「上がった」「下がった」も納得できますが、
Pakkanen laskee. = Lämpötila nousee.「下がる」ことが「上がる」ことだというに、なんだか混乱しませんか?
ググってみると、どうもフィンランド人でさえも混乱することがあるようなんですよ。
「上がる」「下がる」という表現は pakkanen には適さない
気温について「上がる」「下がる」というのは問題ないけれど、pakkanen については「上がる」「下がる」といういい方はすべきでないようです。
口語ではつい、Pakkanen laskee. なんて言ってしまうこともありますが、それは適切な表現ではないとのこと。laskea/nousta ではなく heiketä/kiristyä を使いましょうと、気象庁も言っています。(ウェブページ Lämpötila ja kosteus - Ilmatieteen laitos 参照)
Pakkanen heikkenee.(heikkenee は heiketä 弱まる の現在形・3人称単数) は、氷点下が弱まる、つまり寒さが弱まる、気温が上がるときに使う表現になります。一方で
Pakkanen kiristyy.(kiristyy は kiristyä きつくなるの現在形・3人称単数)は、氷点下がきつくなる、もっと日本語的に言えば、寒さが厳しくなるということ。つまり、気温が下がるときに使う表現。
他にもいろんないい方があります。でも、Pakkanen nousee/laskee. といういい方だけは、どうやら避けたほうがよさそうです。
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