今回も、図書館から借りた電子ブックです。

Pyörre

Pyörre
著者:Yrsa Sigurðardóttir
訳者:Tuula Tuuva
出版:Otava, 2018年

学校から警察のもとへ、10年前に書かれた文が届きます。それは、当時の中学生たちが10年後を思い描いて書き、タイムカプセルに入れられていたもの。10年たった今、そのカプセルが開けられたわけです。それらが警察に届けられたのは、その中に殺人予告があったから。

10年前の中学生の書いたものを真に受け取ることもあるまいと思われました。でも、その後に続いた事件は、その予告との関連を示唆しているように見える…

仕事で大きなミスをしたために部長から平刑事に降格された Huldar刑事。でも彼の活躍もあって、事件の背景が徐々に明らかにされていきます。

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なかなか面白い本でしたよ。日本語訳はされないのかなあ…

ところでこの作品、アイスランド語から翻訳されたものなのだけれど、人名はもとのまま。おかげで、アイスランド語では英語などでは使われていないアルファベットが複数あるのだということを知ることができました。例えば  Æ とか Þ。

そういえば、アイスランド語ってどんな言葉なのか全然記憶にない…。映画やテレビで見聞きしたことはあるはずなんだけど。

"Pyörre"の意味

pyörre のこと。

原作のアイスランド語での書名は『Sogid』。Google先生の訳を見る限り、フィンランド語の書名は直訳というわけではなさそうです。

著者について

Yrsa Sigurðardóttir(イルサ・シグルザルドッティル 1963年~)は、アイスランドの作家。1993年~2003年には、児童・ジュニア向けの作品を発表。2005年以降は多くの推理小説を書いています。

彼女の作品は30言語以上に翻訳されているそう。日本では『魔女遊戯』という本が出版されているとのことです。

《参考ウェブページ》
Pyörre | Otava
Yrsa Sigurðardóttir | Otava
イルサ・シグルザルドッティル - Wikipedia