昨日9月20日は、作曲家ジャン・シベリウスの命日でした。彼が亡くなったのは1957年、つまり61年前。

フィンランド国営放送 Yle のサイトで公開されている、シベリウスのお葬式(国葬だったようです)をおさめた短いドキュメンタリーです。



さて、その動画の最初に写っているのがこの家。シベリウス夫婦と子供たちが暮らした家、アイノラ。
Ainola, Järvenpää (アイノラ ヤルヴェンパー)
Jean ja Aino Sibelius ja tyttäret vas. Margareta, Katarina ja Heidi Ainolan pihalla
(ジャンとアイノ・シベリウスと娘たち。アイノラの庭にて)
撮影:Sundström Eric, 1915年
画像元: Ainola, Järvenpää | Helsingin kaupunginmuseo | Finna.fi 
ライセンス: CC BY 4.0 

ここをアイノラと名付けたのが、ジャン・シベリウス自身かどうかはわからないけれど、アイノラが、アイノ・シベリウスにちなんだものであるのは確か。Aino に -la をつけると、アイノが住んでいるところという意味合いになるので。

シベリウス夫婦が住んでいた、今は博物館ともなっている Ainola は固有名詞です。でも、普通名詞でも同じようなつくりになっているものはとってもたくさん!

せっかくなのでそういう単語を集めてみました。

まずは、「人を表す名詞または形容詞 + -la/-lä」で「その人が(住んで)いるところ」の意味になる単語。
  • mummola おばあちゃんちmummo おばあちゃん
  • anoppila 義母(配偶者の母親)の家anoppi 配偶者の母親
  • appela 義父(配偶者の父親)の家(appe- → appi 配偶者の父親
  • vauvala 保育園乳児クラスvauva 赤ちゃん
  • pappila 牧師館pappi 牧師
  • vankila 刑務所vanki 囚人
  • sairaala 病院(sairaa- → sairas 病気・病人 )
  • porttola 売春宿portto 売春婦
  • arkala 臆病者の住むところarka 臆病 *慣用句的な使い方をするようです。"Ei ole arkalasta kotoisin" というふうに)
似たような作りの単語で、人ではなく「動物 + -la/-lä」のパターンもあります。
  • kanala 養鶏場鶏小屋kana
  • sikala 養豚場豚小屋sika
  • lampola 用羊場羊小屋(lampo- → lammas *とはいうものの、実は "lampo-" という形の語幹はありません)
-la/-lä語尾の単語は他にもいろいろありますが、それについてはまた次回。