『オンネリとアンネリのおうち』( 📕【児童文学】Onnelin ja Annelin talo:『オンネリとアンネリのおうち』原作)、そして『オンネリとアンネリのふゆ』( 📕【児童文学】Onnelin ja Annelin talvi:『オンネリとアンネリのふゆ』原作)は、すでに電子ブックで読みました。

そのあと、日本語訳の本が紹介されているウェブページ( オンネリとアンネリのふゆ|福音館書店 )を見つけたのです。その本は、フィンランドで最初に出版されたときに使われていたのであろうイラスト付き。ほのぼのとしたイラストで、テキストだけの味気ない電子ブックで読んだのが悔やまれたのです。

『オンネリとアンネリ』シリーズは、日本語には2作品しか翻訳されていません。でも、実はもう2作あるのです。今度このシリーズを読むときには絶対紙の本で!と思っていたところで出会ったのがこの本。『オンネリとアンネリ』シリーズ全4作がまとめられている一冊です。図書館の棚で見つけて借りてきました。

Onnelin ja Annelin kootut kertomukset

表紙の絵を含めほのぼのとした挿絵は、シリーズ全作品ともに Maija Karma(マイヤ・カルマ 1914年~1999年)によるもの。

ストーリーは文字だけでも追えます。でも、これらの挿絵があるのとないのとでは大きな違い。そして、少なくとも私自身は、実写映画の写真に彩られた新版よりも、昔ながらの表紙・挿絵の本のほうが好き。

Onnelin ja Annelin kootus kertomukset
著者:Marjatta Kurenniemi
挿絵:Maija Karma
出版:WSOY, 2003年
収録されている作品。( ) 内は、それぞれの作品が最初に出版された年。
  1. Onnelin ja Annelin talo(1966年)
  2. Onnelin ja Annelin talvi(1968年)
  3. Onneli, Anneli ja orpolapset(1971年)
  4. Onneli, Anneli ja nuktuskello(1983年)
3作目と4作目について、内容を簡単にメモしておきます。

Onneli, Anneli ja orpolapset

オンネリとアンネリの家の近くにできた孤児院が事件?の発端となる。2人は、そこを抜け出してきたという Pekki と知り合い、孤児院の子どもたちが、そこの院長に無下に扱われていることを知ります。

Pekka、そして事情を知ったオンネリとアンネリは、Vaaksanheimo 家族(シリーズ2作目で登場した小人の家族)の協力も得て、子どもたちを院長のもとから助け出そうとするのです。

Onneli, Anneli ja nuktuskello

新しく作られる自動車道が、オンネリとアンネリのお隣、Tingelstiina・Tangelstiina姉妹の家を通るといいます。新しくできた工場のために、新しい、真っ直ぐな道が必要だから。

さらに、近くを流れる川が汚染されていることに気づく Ruuskuja(バラ通り) の住人たち。工場と何か関係がある?

一方、Tingelstiina たちの弟である発明家 Vekotiitus は、近所の住人たちに、素晴らしい発明品を公表しました。その名も nukutuskello(↔ herätyskello 目覚し時計)。

のちこの nukutuskello は、事件解決に一役買うことになります。

映画

『オンネリとアンネリのおうち』と『オンネリとアンネリの冬』と同様、シリーズ3作目と4作目も映画化されています。

3作目を原作にした映画は、映画名が原作とは異なります。(Onneli, Anneli ja salaperäinen muukalainen)


4作目を原作とした映画は、この冬公開されたばかり。前作まで主人公たちを演じてきた女の子たちは、もう大きくなりすぎちゃったのでしょう。この映画では、主人公を演じるのが別の女の子たちです。


「オンネリとアンネリ」シリーズの3作目と4作目は、そのうち日本語訳もされるのかな。映画はどうだろ?日本でもそのうち公開されるのでしょうか?

"Onnelin ja Annelin kootut kertomukset"の意味

kertomus 物語 の複数主格が kertomukset。それを修飾しているのが kootut、動詞 koota 集める の受動過去分詞 koottu の複数形。

書名全体を日本語にすると「オンネリとアンネリの物語集」って感じかな?