いつものように、図書館の電子ブックを「今一番借りられている順」に並べてみました。そのときに目に留まった本です。

Unohdetut ovet: Valintoihin perustuva syväkirja

Unohdetut ovet
- Valintoihin perustuva syväkirja -
著者:Minna Roininen
出版: Kirjalabyrintti,, 2015年

夫のSimonとともにストックホルムに住むAlma。Simonは研究者。Almaは家にこもってゲームにいそしむ日々。夫婦間はすっかりさめています。

そんなある日、Almaのもとに生命保険販売員だと名乗る男性がやってくる。そして「Almaが助けない限り、Simonの余命は2か月しかない」というのです。

いつのまにか、Simonの夢に関わることになるAlma。夢の中と現実がどんどん錯綜していきます。

*****

とても不思議なファンタジー作品。あまりにファンタジーすぎてすぐにはピンとこなかったけれど、おそらくこれは、Almaの成長物語なのでしょう。

ところでこの本、従来の本とはちょっと違います。従来の小説では、読み手に関わらず、ストーリーは最初から最後まで同じですよね。

でもこの本では、読み手がAlmaの行動をところどころで選択できるようになっています。そして、物語はそれに基づいて進んでいくのです。

だから、本のページ数は普通の小説よりすごく多い!この本のページ数はなんと1286頁!! 

読者は選択に基づいて読み進んでいくので、全ページを追って読んでいくわけではありません。選択肢にはリンクがはってあり、選択に基づいて物語の続きのページにとぶようになっているのです。

面白い電子ブックの特性の活用法に、とても感心しました。

この本に関する出版社のページです。


本の見本ページもリンクしておきます。


"Unohdetut ovet: Valintoihin perustuva syväkirja"の意味

それぞれの単語の意味です。
  • unohdetut:unohtaa 忘れる の受動過去分詞の複数主格 *文法用語苦手です。間違ってたらご指摘いただけるとうれしいです。
  • ovet:ovi ドア の複数主格
つまり「Unohdetut ovet」で「忘れられたドア」という意味。

そのあとの言葉は、副題というよりもこの本のタイプ?を表してるみたい。
  • valintoihih:valinta 選択 の複数入格
  • perustuva:perustua 基にする の現在分詞
  • syväkirja:(複合語) syvä 深い + kirja
直訳すると「選択に基づいている深い本」となりますが、日本語としては不自然だし分かりにくいですね。でも、うまい言葉が思いつかない…

著者について

Minna Roinisen(1989年~)はヘルシンキ在住の作家・心理学者。作品数はまだそれほど多くはないようです。

この本の出版社による、著者の紹介ページをリンクしておきます。