以前読んだ同じ作者の2冊の本( 📖【歴史】Homo Deus:『ホモ・デウス』フィンランド語版 📖【歴史】Sapiens:『サピエンス全史』のフィンランド語版 が面白かったので、新刊も読んでみることにしました。

でも、そう思ったのは私だけではなかったらしい。図書館でこの本を予約したときには、もう数十人が予約済み。私が借りることができたのは、予約してから2か月後でした。

21 oppituntia maailman tilasta

21 oppituntia maailman tilasta
著者:Yuval Noah Harari
訳者:Jaana Iso-Markku
出版: Bazar Kustannus , 2018年

『サピエンス全史』の焦点は人間の歴史、つまり過去。そして『ホモ・デウス』の焦点は未来。それに続くこの本は、現代に焦点があてられています。

内容的には以前の本と重なるところも多いけれど、彼の本はやっぱり面白い。宗教に関する言い伝えをフェイクニュースと、あるいは聖書をハリーポッターと同格にしてしまうところとか、なんとも小気味がいいし。

そうそう、日本が例に挙げられている個所もありました。例えば、開国後の日本の政府が、いかに日本人としてのアイデンティティーを国民の中に作り上げていったかって話。さらっと書かれているから、「極○○」の思想の持ち主だとしても、さらっと読めるんじゃないかと思います。…でもそういう方々は、こんな本は読まないかもなあ。

フィンランド語版の出版社のページです。



日本語版はまだ無いようです。もっとも、『ホモ・デウス』が今年になってやっと翻訳・出版。この本がもし翻訳されるとしても、だいぶ先のことになるのかも。

どうしても読みたいときには、英語版を読むしかないのかな…。


"21 oppituntia maailman tilasta"の意味

それぞれの単語の意味です。
  • oppituntiaoppitunti 授業・レッスンoppi 学ぶこと・学問 + tunti 時間)の単数分格
  • maailmanmaailma 世界 の属格
  • tilastatila 状況 の出格
つまり「世界の状況に関する21のレッスン」。

原題は英語で、『21 Lessons for the 21st Century』なので、フィンランド語版の書名は全くの直訳というわけではなさそうです。

フィンランドではあまり、「○世紀」といういいかたをしないので、それを考慮に入れての書名なのかも。