前回( 📖【小説】Kasvoton kuolema:『殺人者の顔』フィンランド語版)に引き続き、今回読んだのも、ヘニング・マンケルのヴァランダーシリーズです。

ヴァランダーシリーズは映画化もされていて、テレビでもたびたび放映されています。その中でも『リガの犬たち』はすごくよかったという夫。でも、私はその映画を見た記憶なし。

そんなわけでその映画の原作を読んでみることにしたのでした。今回も電子ブックではなく、図書館から紙の本を借りて読みました。が、ちょっと失敗…

最寄りの図書館にはなかったので、図書館のウェブページから予約したのですが、その本がハードカバーなのかペーパーバックなのか確認しなかったのです。で、手にとった時にはじめて、それがペーパーバックだったということに気付いたわけですよ。ハードカバー版もあったはずなのでそっちを予約すべきだったのに。

というのも…

下の写真、上が今回借りたペーパーバックの『Riian verikoirat』、下が前回読んだ『Kasvoton kuolema』…ハードカバー。


文字の大きさが違うでしょう? 

小さい文字を読むのがつらくなってきたお年頃には、この程度の違いでもすごく大きく感じてしまうのです😢 読めないことはないんですけどね、やっぱり大きい文字のほうが楽。今後は気を付けよう…

Riian verikoirat

Riian verikoirat
著者:Henning Mankell
訳者:Anja Gothoni
出版:Otava, 2013年

クルト・ヴァランダー警部を主人公としたシリーズの2冊目です。

2人の遺体が乗った救命ボートがスウェーデンの沿岸に漂着。調査の末、その2人がラトビア人だということが判明し、ラトビアからの捜査官カリウス・リエパ中佐がヴァランダーたちのもとに派遣されます。そして事件は、ラトビアに引き渡されることに。

ところが、中佐がスウェーデンからラトビアに帰国したその日、彼は何者かに殺されます。そして、ヴァランダーはラトビアの警察からの要請でラトビアに向かうのです。

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ベルリン壁崩壊が1989年、バルト3国のソ連からの独立が1991年、ソ連崩壊が1991年末です。そして、この本が世に出たのは1992年。

その背景を考えると、とても興味深い。当時のラトビアの社会は、一言では語りようのない複雑なものだったのだろうと思います。その社会を踏まえての小説の展開…あらためて小説家ってすごいと思いました。

"Riian verikoirat"の意味

それぞれの単語の意味です。
  • RiianRiika リガ(ラトビアの首都)の単数属格
  • verikoiratverikoira ブラッドハウンド(犬種)(veri + koira)の複数主格 
つまり『リガのブラックハウンドたち』。

スウェーデン語の原題は『Hundarna i Riga』。日本語の書名が原題をそのまま訳したもののようですね。

フィンランド語の書名では、ただの「犬」ではなく「ブラックハウンド」になっています。Wikipedia によればブラックハウンドは…
主に傷ついた獲物の血の臭いを追跡するセントハント(嗅覚猟)に用いられ、動物だけでなく囚人や奴隷などの探索にも使われていた。又、「魔法の嗅覚」という肩書きの通り、とても嗅覚が鋭いため、警察犬としても世界的に多く採用されている。
なるほどです。原題からの直訳ではないけれど、この言葉を使うことで題意がさらによく伝わってくる気がします。翻訳する人の言葉のセンスってすごい…

著者について

著者 Henning Mankell(ヘニング・マンケル 1948年~2015年)は、スウェーデンの作家。クルト・ワランダー警部を主人公にしたシリーズが、特によく知られています。

《参考ウェブページ》
Riian verikoirat | Otava
Henning Mankell | Otava
リガの犬たち - Wikipedia
ヘニング・マンケル - Wikipedia